バルジ大作戦
『バルジ大作戦』(Battle of the Bulge)は、
1965年に公開されたアメリカの戦争映画で、第二次世界大戦末期のバルジの戦いを題材としています。監督は
ケン・アナキンで、
ヘンリー・フォンダ、
ロバート・ライアン、
チャールズ・ブロンソンなど、豪華なキャストが出演しています。この映画は、ドイツ軍が仕掛けた大規模な反攻作戦「ラインの守り」における、両軍の激しい戦いを描いています。
概要
映画は、
1944年12月にドイツ軍が
アメリカ軍に対して行った大攻勢、いわゆるバルジの戦いを背景にしています。ドイツ軍の機甲部隊が
アメリカ軍に奇襲を仕掛け、
戦車戦が繰り広げられる様子が、両軍の視点から描かれています。この映画は、特に
戦車戦を描いたアメリカ映画として、その完成度の高さから高い評価を受けています。
日本での公開
日本では1966年4月1日に劇場公開され、3億9,000万円の配給収入を記録しました。その後、
1973年10月にはテレビで初めて放送され、二部構成で放映されました。
登場人物
ダニエル・カイリー中佐(ヘンリー・フォンダ):ドイツ軍の反撃を危惧し、警鐘を鳴らす。
グレイ少将(
ロバート・ライアン):カイリー中佐の懸念を軽視する。
プリチャード大佐(ダナ・アンドリュース):カイリー中佐の警告を一蹴する。
デュケスン軍曹(ジョージ・モンゴメリー)
ウォレンスキー少佐(チャールズ・ブロンソン):最前線で指揮を執る。
ガフィー軍曹(テリー・サバラス):
戦車隊の一員。
ウェーバー中尉(ジェームズ・マッカーサー):ドイツ軍の変装を見抜く。
ドイツ軍
ヘスラー大佐(
ロバート・ショウ):機甲師団を率いて奇襲作戦を指揮する。
シューマッハ少佐(タイ・ハーディン):空挺部隊を率いる。
コンラート伍長(ハンス・クリスチャン・ブレヒ):奇襲作戦に協力する。
コーラー将軍(ヴェルナー・ペータース):ヘスラー大佐に作戦を伝える。
ディーペル少佐(カール=オットー・アルベルティ):新任の
戦車隊長。
その他
ルイーズ(ピア・アンジェリ):ガフィー軍曹の恋人。
エレナ(バーバラ・ウェール):高級娼婦。
キャスト
この映画は、NETテレビ版とフジテレビ版で放送されました。NETテレビ版は
1973年10月に
日曜洋画劇場でノーカット放送されました。
DVDには、テレビ放送用にカットされた約141分バージョンと、完全版の約167分バージョンが収録されています。
エピソード
撮影は
スペインで行われたため、雪の戦場であるはずが、砂漠のような風景になっているなど、史実とは異なる点が多く見られます。また、登場する
戦車も史実とは異なり、ドイツのティーガーII
戦車は
M47パットン戦車、アメリカの
M4中[[戦車]]は
M24軽[[戦車]]が代用しています。しかし、
戦車が多数登場する戦闘シーンは見どころの一つです。また、映画では、
マルメディ虐殺事件が計画的な犯行として描かれていますが、実際は偶発的に発生した事件です。史実との相違点が多く、アイゼンハワー元大統領が抗議声明を出したほどです。
戦車の歌(パンツァー・リート)
映画の前半では、ドイツ軍の
戦車兵たちが士気を高めるために「パンツァー・リート」を合唱するシーンがあります。この歌は、元々ドイツの歌でしたが、戦後、様々な国の軍隊で歌われるようになりました。日本でも、
陸上自衛隊の音楽隊が演奏しています。
脚注
[1] 映画の内容については、史実とは異なる点も多い。
関連項目
バルジの戦い
マインラート・フォン・ラウヘルト:ドイツ軍の元将校で、映画の軍事アドバイザーを務めた。
ヨアヒム・パイパー
マルメディ虐殺事件
パンツァー・リート
外部リンク
バルジ大作戦 - allcinema
バルジ大作戦 - KINENOTE
Battle of the Bulge - IMDb