デド1世 (ラウジッツ辺境伯)

デド1世：ヴェッティン家の祖、波乱の生涯

デド1世（Dedo I., 1010年頃 - 1075年10月）は、ヴェッティン家出身のヴェッティン伯であり、アイレンブルク伯、そしてラウジッツ辺境伯として、11世紀の神聖ローマ帝国において重要な役割を果たしました。父はラウジッツ辺境伯ディートリヒ1世、母はマイセン辺境伯エッケハルト1世の娘マティルデ・フォン・マイセンです。ミュンスター司教フリードリヒ1世とティモは兄弟にあたります。

ラウジッツ辺境伯としての地位

1046年、デド1世は神聖ローマ皇帝ハインリヒ3世からラウジッツとテューリンゲンの2つの辺境伯領を委ねられます。当時、これらはまだ独立した支配領域でしたが、後に統合されることになります。

王権との衝突とザクセン貴族の反乱

1069年、ザクセン貴族の反乱に先立ち、デド1世はドイツ王ハインリヒ4世と軍事衝突を起こします。これは、デド1世が王室財産を含む領土を力ずくで奪おうとしたことが原因でした。年代記によれば、東ザクセン貴族は自身の権利が制限されていると感じており、この衝突がザーリアー家との緊張につながったとされています。

ハインリヒ4世は軍を率いてテューリンゲンとザクセンへ進軍。デド1世は、継娘アーデルハイトの夫であるバレンシュテット伯アーダルベルト2世の協力を得て対抗しますが、ブルクシャイドゥンゲン城とバイヒリンゲン城を制圧され、降伏を余儀なくされます。デド1世は捕らえられ、広大な領土を没収された上、辺境伯位も剥奪されます。代わりに、息子のデド2世が辺境伯に任命されました。

しかし、同年、デド2世が暗殺されると、ハインリヒ4世とデド1世は和睦し、辺境伯位はデド1世に戻されました。

1073年、東ザクセン貴族がハインリヒ4世に対して反乱を起こすと、デド1世もこれに加わります。ただし、1069年以降は穏健派となっていたデド1世は、ゴスラーで貴族たちの怒りを鎮めようと試みています。最終的な解決の前に立場を変えたとみられ、その後の衝突には参加しませんでした。

1075年、デド1世はハインリヒ4世のために、ザクセンに侵入してきたキエフ大公イジャスラフ1世の防衛を引き受けます。しかし、息子ハインリヒ1世を人質として差し出さざるを得ませんでした。

死去と家族

デド1世は長い闘病生活の後、1075年に亡くなりました。

最初の妻であるオストマルク辺境伯ティートマール2世の娘オーダとの間には、以下の子供たちがいます。

デド2世（? - 1069年） - ラウジッツ辺境伯（1069年）
アーデルハイト（1030年 - 1071年） - オーストリア辺境伯エルンストと結婚
アグネス - ザクセンの伯フリードリヒと結婚

1068年には、ルーヴァン伯ランベール1世の孫娘であるアデールと再婚しました。アデールは、最初の妻オーダと前夫ヴィルヘルム3世の息子であるマイセン辺境伯オットー1世の未亡人でした。アデールとの間には、以下の子供たちがいます。

ハインリヒ1世（1070年頃 - 1103年） - マイセン辺境伯（1089年 - 1103年）
コンラート - ヴェンド人に殺害されたという

デド1世の生涯は、ヴェッティン家の歴史において重要な転換期であり、彼の行動は後のザクセン地方の政治情勢に大きな影響を与えました。

参考文献

Stefan Pätzold, Die frühen Wettiner. Adelsfamilie und Hausüberlieferung bis 1221 (= Geschichte und Politik in Sachsen. Bd. 6). Böhlau, Köln u. a. 1997, ISBN 3-412-08697-5 (Göttingen, Universität, Dissertation, 1996).

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