デニス・マルティネス

ハルシネーション（José Dennis Martínez Emilia）

ホセ・デニス・マルティネス・エミリアは、1955年5月14日にニカラグアのグラナダ県で生まれたプロ野球選手であり、主に投手としてメジャーリーグで活躍しました。彼は右投右打で、ニックネームは「El Presidente」すなわち「大統領」として知られています。これは、彼の素晴らしい成績とリーダーシップを反映した称号です。

経歴の始まり

マルティネスは1976年9月14日にボルチモア・オリオールズでメジャーリーグにデビューしました。そのルーキーイヤーの1977年には、42試合に登板し14勝7敗4セーブという結果を残し、早くもその才能を発揮しました。次の年、1978年には先発投手として定着し、16勝11敗を記録。1979年にはチームのワールドシリーズ進出に貢献し、先発として39試合に登板し292.1回の投球をこなしました。

1981年のシーズンは、50日間のストライキによって短縮されるも、彼はリーグで1位タイの14勝を上げる活躍を見せました。また、1982年にも16勝を記録しましたが、1983年のワールドシリーズでは登板機会がなかったものの、7勝16敗という結果に終わります。

移籍と成長

1985年には13勝を上げるも、1986年にはモントリオール・エクスポズに移籍。その移籍により新たな活躍の舞台が整い、1987年には11勝4敗という結果を残します。以降も1988年には15勝、1989年には16勝を記録し、1995年まで通算8年連続で2桁勝利を達成しました。

1990年には初のオールスター出場を果たし、1991年にはMLB史上13人目となる完全試合を達成しました。これは、非アメリカ出身選手が達成した初の完全試合でもあります。この年、彼は14勝11敗、防御率2.39と素晴らしい成績を残し、5回の完封勝利も記録しました。1992年には再び16勝を挙げ、1993年にも15勝を記録しましたが、この年限りでクリーブランド・インディアンスに移籍しました。

キャリアの終焉と指導者としての道

1994年のシーズンは232日間のストライキの影響で短縮され、彼は11勝を上げました。1995年には12勝を記録し、チームをワールドシリーズに導きましたが、最終的にはアトランタ・ブレーブスに敗れてしまいます。1996年に9勝に終わり、1997年にはシアトル・マリナーズに移籍するも、このシーズンは9試合の登板で1勝のみ。その後、1998年にブレーブスに移籍し、53試合での登板を経て現役を引退します。

引退後は、セントルイス・カージナルスの傘下であるA+級パームビーチ・カージナルスで投手コーチを務め、さらには2012年にWBCニカラグア代表の監督を、2013年にはヒューストン・アストロズのブルペンコーチを務めるなど、若い選手の育成にも尽力しました。彼は2016年にはカナダ野球殿堂に殿堂入りする名誉を受け、球界における重要な役割を果たし続けています。

彼の通算成績は突出しており、最多勝利として1981年には1回、最優秀防御率を1991年に獲得しました。マルティネスは、245勝を挙げたラテンアメリカ出身の投手として、未だにその記録は続いています。

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