デニー・マクレイン

デニス・デイル・マクレイン：栄光と転落のMLBスター

デニス・デイル・マクレイン（Dennis Dale McLain, 1944年3月29日 - ）は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身の元MLB選手。右投右打の投手として、1960年代にデトロイト・タイガースで圧倒的な成績を残しました。しかし、その後の転落と引退、そして引退後の人生は、栄光と挫折が交錯する波瀾万丈なものでした。

タイガースでの輝かしいキャリア

1962年にシカゴ・ホワイトソックスと契約したマクレインは、マイナーリーグでの活躍を経て、1963年にデトロイト・タイガースへ移籍。1965年には16勝を挙げ頭角を現し、1966年にはオールスターゲームに初選出されるなど、エースとしての地位を確立しました。

そして1968年、マクレインはMLB史に残る偉業を達成します。31勝6敗、防御率1.96という驚異的な成績で、最多勝利のタイトルを獲得。チームをリーグ優勝に導き、セントルイス・カージナルスとのワールドシリーズでは、ボブ・ギブソンとの投げ合いを制して勝利投手にもなりました。この活躍で、サイ・ヤング賞とMVPを満票で受賞しています。

1969年も24勝を挙げ、2年連続で最多勝利を獲得。サイ・ヤング賞も受賞し、まさに絶頂期を迎えました。

栄光からの転落

しかし、マクレインの栄光は長くは続きませんでした。1970年には、賭博行為への関与や拳銃の不法所持が発覚し、出場停止処分を受けます。さらに、不摂生な生活が祟り球速が低下。成績も急降下し、トレードでワシントン・セネターズへ移籍します。

セネターズ、アスレチックス、ブレーブスとチームを渡り歩きますが、かつての輝きを取り戻すことはできず、1973年に現役引退。

引退後

引退後、マクレインはコカインの密売や業務上横領などで逮捕・服役を繰り返します。服役中に全ての歯を失い、体重も激増するなど、見る影もない姿となりました。

25歳で114勝を挙げ、将来の野球殿堂入りを確実視されていたマクレイン。しかし、素行の悪さや故障、そしてその後の人生における過ちが、彼の輝かしいキャリアに暗い影を落としました。彼の野球人生は、才能に恵まれた男が、その才能を活かしきれなかった悲劇として語り継がれています。

詳細情報

年度別投手成績
各年度の太字はリーグ最高
タイトル
最多勝利 2回：1968年, 1969年
表彰・記録
サイ・ヤング賞 2回：1968年, 1969年
シーズンMVP 1回：1968年
MLBオールスターゲーム選出 3回：1966年, 1968年, 1969年
脚注
外部リンク
* 選手の通算成績と情報 Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)

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