デノミネーション

デノミネーション（Denomination）

デノミネーションとは、通貨の単位を示す用語であり、通貨の価値の切り下げや切り上げを含意する場合があります。デノミネーションを経済活動において実施することで、インフレーションなどによって大きくなった桁数表示の問題を解決しようとする意図があります。特に、国内の資産と負債に対して広く影響を及ぼします。多くの場合、デノミは単に「デノミ」と略されることが多いです。

用語の用法

英語の「デノミネーション」は「通貨単位」を指し、単に「切り下げ」や「切り上げ」とは異なる用法を持ちます。例えば、両替時に「What denomination?」と尋ねられた場合、これは「金種はどうしますか？」という意味で解釈されます。具体的には、100ドルの紙幣を両替する際に、希望する金種（20ドル紙幣や5ドル紙幣など）について確認されます。ただし、文脈が異なる場合には「どんな宗派？」と問われることもあります。

日本語に対応する英語としては、「リデノミネーション」や「チェンジ・オブ・デノミネーション」が存在します。デノミという言葉は、英語やロシア語から派生したものです。

デノミネーションの方法

デノミネーションの具体的な方法としては、例えば10,000円を1/100に切り下げて新しい100円単位とする場合などがあります。通常は、専用の新しい通貨を発行したり、既存の通貨の表示を変更する形で行われます。時には、1/10や1/100のように小分けにされることもありますが、これに対してニュージーランドやザンビアでは通貨単位を逆に2倍にするケースも記録されています。

近年のデノミネーションの事例

歴史的に見ても、多くの国がデノミネーションを経験しています。例えば、1993年にウルグアイはウルグアイ・ペソを導入し、通貨を1000分の1に切り下げました。また、1994年にはユーゴスラビア・ディナールが10億分の1にカットされました。この時は5000億ディナールという高額の紙幣が流通していました。

2005年には、トルコが新トルコリラを発行し、実質的に100万分の1のデノミを実施しました。この時、2000万トルコリラの紙幣（約1,500円相当）が、新しい20トルコリラに戻されました。次いで2005年にはルーマニアが旧10000レイを新1レウに変換すべく1万分の1のデノミを行いました。さらに、2008年のジンバブエにおいては、他国には類を見ない100億分の1のデノミが行われ、100億ジンバブエ・ドルが新しい1ジンバブエ・ドルとなりました。

また2009年には、ジンバブエでさらに1兆分の1のデノミが実行されました。この急激な経済環境の変化には世界中で驚かれることとなりました。さらに、同年には北朝鮮でも通貨ウォンの100分の1のデノミネーションが実施され、広範囲な混乱が発生しました。特に北朝鮮では、デノミに伴い一世帯あたりの現金の上限が設けられるなど、特異な条件が加えられました。

最新の事例としては、2018年にベネズエラが10万分の1のデノミを行い、さらに2022年にシエラレオネが1000分の1のデノミを実施しました。特にシエラレオネのデノミは事前に周知がなされていたため、大きな混乱は避けられました。

このようにデノミネーションは、経済を正常化するための手段として時折使用されますが、その実施方法や影響には大きな波紋を広げる可能性があることも忘れてはなりません。

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