デビュー (ビョークのアルバム)

ビョーク『デビュー』：革新的な音楽の幕開け

『デビュー』（Debut）は、アイスランド出身のミュージシャン、ビョークが1993年に発表したソロ名義では2作目のスタジオ・アルバムです。シュガーキューブスの解散後、ソロアーティストとしての再出発を飾る作品であり、ビョークのソロ・アルバムとして初めて国際的にリリースされ、世界的な注目を集めました。

プロデュース

元ソウル・II・ソウルのネリー・フーパーが収録曲の大半をプロデュースしており、ビョークとの共同プロデュースによる「ライク・サムワン・イン・ラヴ」も収録されています。また、「アンカー・ソング」と日本盤ボーナス・トラックの「アトランティック」はビョーク自身が単独でプロデュースを手がけました。さらに、日本盤やインターナショナル盤には、後にシングル曲として発表された「プレイ・デッド」が追加収録されています。この曲はDavid Arnold、Danny Cannon、Tim Simenonがプロデュースを担当しました。

評価と影響

『デビュー』は、リリース当時から高い評価を受け、商業的にも大きな成功を収めました。イギリスでは、1993年7月17日付の全英アルバムチャートに3位で初登場し、その後もロングヒットを記録。1994年には再び3位に達し、61週連続でトップ100圏内にとどまるという驚異的な記録を打ち立てました。また、1994年2月14日に開催されたブリット・アワードでは、ビョークが「Best International Female」賞と「Best International Newcomer」賞の2冠に輝きました。

アメリカでも、1993年8月22日付の『ニューヨーク・タイムズ』紙で「ジャズへの愛とレイヴへの情熱を融合させた」と評されるなど、その革新的な音楽性が高く評価されました。総合チャートのBillboard 200では61位、ビルボードのヒートシーカーズ・チャートでは1位を獲得し、アメリカでの人気を確立しました。

収録曲

特筆なき楽曲はビョークの作詞作曲です。

1. ヒューマン・ビヘイヴィアー - "Human Behaviour" (Björk, Nellee Hooper)
2. 泣きぬれて - "Crying" (Björk, N. Hooper)
3. 少年ヴィーナス - "Venus as a Boy"
4. ライフ・ザン・ディス - "There's More to Life Than This" (Björk, N. Hooper)
5. ライク・サムワン・イン・ラヴ - "Like Someone in Love" (Johnny Burke, James Van Heusen)
6. ビッグ・タイム・センシュアリティ - "Big Time Sensuality" (Björk, N. Hooper)
7. ある日 - "One Day"
8. 飛行機 - "Aeroplane"
9. 来て… - "Come to Me"
10. ヴァイオレントリー・ハッピー - "Violently Happy" (Björk, N. Hooper)
11. アンカー・ソング - "The Anchor Song"
日本盤ボーナス・トラック
12. アトランティック - "Atlantic"
13. プレイ・デッド - "Play Dead" (Björk, David Arnold, Jah Wobble)

参加ミュージシャン

ビョーク - ボーカル、キーボード、ブラス・アレンジ
マリウス・デ・ヴライス - キーボード、プログラミング
ポール・ウォーラー - キーボード、プログラミング
マーティン・ヴァーゴ - キーボード、プログラミング
ゲイリー・ヒューズ - ハモンドオルガン、キーボード、プログラミング
ジョン・マリソン - ギター
ルイ・ジャーディム - ベース、ドラムス、パーカッション
ブルース・スミス - ドラムス、パーカッション
ネリー・フーパー - ドラムス、パーカッション
コーキー・ヘイル - ハープ
タルヴィン・シン - タブラ
Sureh Sathe - ストリングス・アレンジ
オリヴァー・レイク - ブラス・アレンジ
Jhelisa Anderson - バッキング・ボーカル

外部リンク

Debut - Discogs (発売一覧)

『デビュー』は、ビョークの音楽キャリアにおける重要なターニングポイントであり、彼女の独創性と音楽的な才能を世界に知らしめた画期的な作品として、今もなお多くの音楽ファンに愛され続けています。

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