デュアルネットワークサービス

デュアルネットワークサービスとは

デュアルネットワークサービスは、かつてNTTドコモが提供していた、movaとFOMAという異なる携帯電話ネットワークを、1つの電話番号で利用可能にするサービスでした。このサービスは、FOMAが導入された初期段階において、FOMAのサービスエリアがまだ十分に広がっていなかった時期に、movaユーザーがFOMAへ移行する際の利便性を高めるために導入されました。

サービスの背景

FOMAは、movaの後継として導入された第三世代携帯電話ネットワークであり、より高速なデータ通信や高音質な音声通話を実現するものでした。しかし、FOMAのサービス開始当初は、movaと比較してエリアカバーが限定的であったため、利用できる場所が限られていました。そこで、movaの広いエリアと、FOMAの先進的な機能を両立させるために、デュアルネットワークサービスが開発されました。

サービスの特徴

デュアルネットワークサービスの最大の特徴は、1つの電話番号でmovaとFOMAの両方のネットワークを利用できる点です。これにより、ユーザーはFOMAのエリア外では自動的にmovaに切り替わり、通話や通信を継続することができました。また、FOMAのエリア内では、より高速な通信サービスを享受することができました。

具体的な利用シーン

FOMAサービスエリアが限られていた時期において、FOMA端末を持ちながらも、movaのエリアで通信する必要がある場合に利用されました。
movaとFOMAの一体型端末であるN2701は、このデュアルネットワークサービスに対応していました。

国際ローミングとの関連

国際ローミングサービス「WORLD WING」を利用する際、movaの契約者は海外専用カードに切り替える必要がありました。しかし、デュアルネットワークサービスの利用者は、一時的にFOMA回線に移行する扱いとなり、海外ではFOMAとして、国内ではmovaとして利用するという擬似的なローミングが行われました。これにより、海外でレンタルする端末も一般的なFOMA端末と同様の扱いとなりました。

ネットワークの切り替え方法

ネットワークの切り替えは、端末の設定メニューから行うか、1540番に電話をかけ、ネットワーク暗証番号を入力することで可能でした。

メール機能について

メールの送受信は、movaとFOMAのどちらのネットワークでも可能でした。movaで受信したメールはWebメールで閲覧したり、設定により削除することも可能でした。

サービス終了

デュアルネットワークサービスは、2009年3月31日に新規契約の受付を終了し、movaサービスの終了に伴い、2012年3月31日にサービスを完全に終了しました。

その他

デュアルネットワークサービスは、あくまでFOMAのオプションサービスという位置づけであり、ユーザーの契約はFOMAのものとなっていました。

利用料金

デュアルネットワークサービスの利用料金は月額300円（税別）でした。留守番電話サービスとセットで契約した場合、月額料金が100円割引されました。

外部リンク

* デュアルネットワーク (実際にはリンク先が提供されていないため、例として掲載)

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