N2701

NEC N2701：FOMAとmovaの融合、そして時代の終焉

NECがNTTドコモ向けに開発した携帯電話N2701は、第三世代移動通信システムであるFOMAと、第二世代のmovaの両方に対応するデュアルネットワーク端末として2003年6月11日に発売されました。この端末は、当時、1台でFOMAとmovaの両方のネットワークを利用できる唯一の機種であり、都市部と地方部など、電波状況の異なる地域で使い分けることが可能な画期的なデバイスでした。

優れた柔軟性と設計

N2701の基本設計は、FOMA対応端末N2051にPDC端末であるN504iSを統合したような構造になっており、ソフトウェアはN2102Vに近い設計となっています。利用者は「FOMA←→mova自動切替」「FOMA固定」「mova固定」の3つのモードから選択でき、状況に応じて電池消費を抑えることが可能でした。この柔軟な運用性は、当時多くのユーザーにとって魅力的なポイントでした。

さらに、N2701はN2051との機械的な互換性を保つように設計されており、N2051用のバッテリーパック（N03と互換性のあるN04）や卓上ホルダも使用できました。これは、ユーザーにとって大きな利便性をもたらしました。ただし、後継機であるN2102Vとは互換性がありませんでした。

技術仕様と特徴

N2701のカメラは、メインカメラが約31万画素CMOS、サブカメラが約10万画素CMOSを搭載しており、iアプリは504iに対応していました。外部メモリーには非対応でした。mova専用の伸縮式アンテナに加え、FOMAアンテナは本体のマイク部分に内蔵されていました。 内蔵メロディーは「シェリーに口づけ」など10曲、内蔵効果音も豊富に用意されていました。

N2701は、発売当時、電卓機能のバグが発見され、修正プログラムが提供されました。これはN2051、N2102V、P2102Vでも発生した問題でした。

サービス終了とその後

NTTドコモは2012年3月31日にmovaサービスを終了しました。これにより、N2701はFOMAモードのみでしか使用できなくなりました。さらに、N2701はFOMAプラスエリアにも対応していなかったため、Xiへの移行が進むにつれて利用価値は低下し、多くのユーザーがFOMAプラスエリア対応機種やXi対応スマートフォンに乗り換えました。N2701は、movaとFOMAの両方のネットワークを1つの端末で利用できた時代の証として、携帯電話の歴史にその名を刻みましたが、時代の流れには抗えず、役目を終えました。

発売からサービス終了までの年表

2003年3月12日：TELEC適合証明取得
2003年4月10日：JATE通過
2003年5月27日：開発発表
2003年6月11日：発売開始
2003年8月20日：電卓機能のバグ発見
2010年3月31日：電池パック提供終了
* 2012年3月31日：movaサービス終了

まとめ

N2701は、FOMAとmovaのデュアルネットワークに対応した、画期的な携帯電話でした。しかし、movaサービスの終了により、その役目を終えました。この端末は、携帯電話技術の進化とサービスの移り変わりを象徴する存在と言えるでしょう。 その柔軟な設計と、当時としては画期的なデュアルネットワーク対応は、多くのユーザーに利用され、そして忘れられない機種となりました。

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