デュアルマガジン

デュアルマガジンの歴史と内容紹介

デュアルマガジン（DUAL MAGAZINE）は、タカラと丸善が共同で発行したアニメと模型に関する雑誌で、1982年6月から1985年3月までの間に全12号が季刊として出版されました。編集長は千葉暁が務め、誌面には多くの人気作品とその模型に関する情報が掲載されました。

創刊の背景

dual magazineの創刊は『機動戦士ガンダム』のヒットに起因しています。この作品の人気を受けて、リアルロボットキャラクターの模型化は模型・玩具メーカーにとって新たな市場をもたらしました。バンダイが「模型情報」を発行し、ユーザーとの交流を深める一方で、タカラもリアルロボット路線に乗り出し、プラモデルと玩具を展開しました。その結果、デュアルマガジンが誕生し、書店でも手に取れるA4サイズの雑誌として、多くのファンを魅了しました。

雑誌の内容

デュアルマガジンでは、タカラがスポンサーになるアニメ作品を中心に情報が提供されました。具体的には、『太陽の牙ダグラム』や『装甲騎兵ボトムズ』など、さまざまなテレビアニメの模型が取り上げられました。また、劇場用アニメ『クラッシャージョウ』や、漫画『エリア88』の模型も紹介され、ジャンルを超えたコンテンツが揃っていました。特に、高橋良輔監督の作品に対する特集が多く、連載も多数行われました。

雑誌の中身は、主に模型の技術に焦点を当てた内容が多く、カラーページにはジオラマ模型の美しい写真や、模型製作技術の講座が掲載されました。このため、アニメの情報量はやや少なめでしたが、詳細なメカ設定や技術的な考察が多くの読者に支持されました。さらに、特集記事やインタビューも行われ、一部の著名なアーティストが独自の視点で語る場面もありました。

ウォーゲーム特集

デュアルマガジンの特徴の一つは、ボードゲームやウォーゲームに関する特集が組まれていたことです。連載「Let's Enjoy Simulation Game!」では、初心者向けのゲーム解説が行われ、アニメ作品に基づいたゲーム用マップやユニットが毎号収録されていました。これにより、雑誌は単なる情報源だけでなく、ユーザーが実際に楽しむための手引きともなりました。

イラストレーターの活躍

この雑誌は、多くのイラストレーターにとって重要なプラットフォームとなり、当時デビューした作家が多数登場しました。特にあむろ・れい（後の中原れい）や小出拓（後のこいでたく）などは、デュアルマガジンでの活躍が後のキャリアにも大きな影響を与えました。彼らの掲載記事や漫画は、今や多くのフォロワーを持つ人気を誇っています。

各号の注目内容

創刊号には『ダグラム特集』が組まれ、その後も各号ごとにテーマが設定され、様々な特集が展開されました。例えば、第4号では『クラッシャージョウ映画公開記念号』として特集が組まれたり、第10号では『ガリアン放映記念号』が出版されるなど、各作品へのタイムリーなアプローチがなされていました。特に、イラストや模型に特化した内容や、付録としてゲームが収録されるなどの工夫も見受けられました。

総括

デュアルマガジンは、そのユニークな切り口と充実した内容から、多くのファンに愛され続けました。アニメと模型の融合を目指し、さまざまな情報を提供したこの雑誌は、業界においても特別な位置を占めており、現在でもその影響は色濃く残っています。

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