デューラス

DEURAS（デューラス）とは

DEURAS（Detect Unlicensed Radio Stations）は、総務省が日本全国に配置している電波監視システムです。主な目的は、他の無線局の運用を妨害したり、放送受信に障害を与えたりする不法無線局の探知です。このシステムは、電波の電界強度や到来方向を計測し、電波の適正な利用を促進します。システムの財源は、電波利用料が用いられています。

DEURASの種類と機能

DEURASには、用途に応じていくつかの種類があります。以下に各種類と機能について詳しく説明します。

遠隔方位測定設備（DEURAS-D）

主に都市部の鉄塔やビルの屋上など、電波を受信しやすい場所に設置されています。これらはセンサ局と呼ばれ、各地方総合通信局のセンタ局と高速デジタル回線で接続されています。受信可能な周波数は25MHz〜3GHz（一部3.6GHz）です。自動監視機能に加え、一部のセンサ局にはスペクトラムアナライザ機能や、送信機の特性から送信者を特定する機能も備わっています。

小型遠隔方位測定設備（DEURAS-R）

こちらも鉄塔やビルの屋上に設置され、各地方総合通信局とはISDN回線で接続されていました。不法電波や混信の報告があった際にモニタリングを行っていました。受信可能周波数は25MHz〜2GHzです。DEURAS-Dと比較して、受信範囲が狭く、機能や拡張性が低いという特徴がありました。また、ISDN回線を利用したダイアルアップ接続のため制御速度が遅く、通信費用もかさむという課題がありました。これらの理由から、現在では携帯電話網をアクセス回線として使用する仮設型を除き、DEURAS-Dに統合され、現存していません。

不法無線局探索車（DEURAS-M）

箱型の自動車に、方位測定装置、遠隔制御装置、受信装置、測定装置などを搭載した移動型のシステムです。DEURAS-DやDEURAS-Rと連携して動作させることも可能です。GPSを搭載しており、移動しながら電波の探索を行うことができます。センタ局とは携帯電話回線で接続されます。受信可能周波数は25MHz〜3.6GHzです。

短波監視施設（DEURAS-H）

全国の短波帯専用の受信センサ局と、関東総合通信局内の集中センタ局を専用回線で接続しています。センタ局からセンサ局を遠隔操作し、電波の発射地点を探索します。他のシステムとは異なり、100kHz〜30MHzの短波帯専用の測定を行います。国際電気通信連合（ITU）による国際的な電波監視にも活用されています。

まとめ

DEURASは、電波の適正な利用を確保し、国民の安全な電波利用環境を守るために重要な役割を担っています。不法無線局の取り締まりや電波障害の防止に不可欠なシステムであり、今後もその重要性は増していくと考えられます。

外部リンク

総務省電波利用ホームページ
電波監視システムの概要（関東総合通信局）
* 電波監視システムの紹介（電波適正利用推進協議会）

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