デリック・ホワイト (技術者)

デリック・ホワイト (Derrick White) の生涯

デリック・ホワイトは1929年3月20日に生まれ、1970年9月22日に41歳でこの世を去ったイギリスの自動車技術者です。彼のキャリアは、主に自動車設計に特化しており、特にF1において顕著な業績を残しました。

来歴

1952年、ホワイトは車両設計のエンジニアとしてイギリスに渡りました。最初にコンノートに参加し、その後はジャガーに移籍します。ジャガーでは、特に有名なジャガー・Eタイプの車体開発に関わり、その才能を発揮しました。

クーパーでの業績

1963年、クーパーにて主任設計者のオーウェン・マドックが辞職した後、ホワイトはその後任としてクーパー・T81の設計を任されました。このマシンは1966年シーズンにデビューし、ジョン・サーティースがメキシコGPで優勝するなど、注目を集めました。また、ペドロ・ロドリゲスが南アフリカGPで優勝したこともあり、T81はクーパーにとって最後の勝利車両となりました。

続いて、ホワイトはT86も設計しましたが、1968年にはクーパーがF1から撤退するため、T86もその役割を果たすこととなりました。

サーティースとの関わり

ホワイトはクーパーでの経験を通じてジョン・サーティースと親しい関係を築いていました。1967年末にサーティースがクーパーを去った際、ホワイトも彼に同行しサーティースのチームに参加しました。サーティースはホンダとの契約があったため、ホワイトもホンダのプロジェクトに関与することになりました。

サーティースのチームは、ホンダのRA273という車両を使用しましたが、重さや整備性に関して非常に課題が多く、サーティースとホンダの中村良夫は新たな軽量シャシーの開発を決定します。この新しい車両、RA300はエリック・ブロードレイに委託されました。

RA300の開発は急を要しましたが、次期モデルのRA301はホワイトに設計が任されたため、開発の自主性が確保されていました。しかし、RA301はシーズン前のテスト不足や部品供給の問題から期待された結果を出すことができませんでした。

死去

ホンダは1968年限りでF1から撤退し、ホワイトはサーティースを離れることになりました。その後、ブリティッシュ・レイランドに勤務し、トライアンフのプロジェクトに携わります。しかし、1970年に髄膜炎に感染し、その短い生涯を閉じることになりました。

デリック・ホワイトは、F1史に名を刻んだ技術者であり、彼の業績は現在も多くのエンジニアやファンに影響を与えています。

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