デルタ・グッドレム

デルタ・グッドレム：オーストラリアを代表するシンガーソングライターの軌跡

1984年11月9日生まれのデルタ・グッドレムは、オーストラリアを代表するシンガーソングライター、ピアニスト、そして女優です。クラシック音楽、ポップ、ロック、アダルト・コンテンポラリーなど、幅広い音楽性をピアノを基調に融合させた彼女の音楽は、オーストラリア国内で圧倒的な人気を誇り、9曲ものシングルがNo.1を獲得、5枚のアルバムが首位に輝いています。数々のARIAミュージック・アワード受賞歴も、その人気と実力を証明しています。

才能開花から絶頂期へ

13歳で制作した5曲入りのデモCDが、ソニーとの契約へと繋がり、2001年にデビューシングル「I Don't Care」を発表。しかし、当初は商業的な成功には至りませんでした。転機となったのは、2002年。オーストラリアの人気ドラマ『Neighbours』に出演し、劇中で歌手を目指す少女を演じ、披露した楽曲「Born To Try」が、2002年11月に発売されたシングルとして大ヒット。オーストラリア史上初となる5作連続シングル1位という快挙を達成します。

2003年にリリースされたデビューアルバム『イノセント・アイズ』は、オーストラリア人女性アーティスト史上最長の29週間、売上1位を記録。オーストラリア国内で100万枚、海外で250万枚という驚異的な売上を達成し、ARIA Awardでは史上初の7部門9冠を獲得、イギリスでも複数の曲がシングルチャートトップ10入りを果たすなど、世界的にも注目を集めました。

病気と復活、そして新たな挑戦

順風満帆だったキャリアの中、デルタは悪性リンパ腫の一種であるホジキンリンパ腫を発症。放射線治療によって髪を失うという苦難を経験しますが、家族やファンの支えを受け、見事に克服します。闘病中、セラピーとしてレコーディングを続け、2004年10月にリリースしたシングル「アウト・オブ・ザ・ブルー」は、再びチャート1位を獲得。続く11月には2枚目のアルバム『ミステイクン・アイデンティティ』も全豪1位を記録し、華麗なカムバックを果たしました。

2005年にはツアー『Visualise Tour』を開催。体力的な不安の声も上がっていましたが、見事に成功させます。同年9月にはAFLグランドファイナルで国歌独唱を務めるなど、その活動は多岐に渡ります。

私生活と更なる活躍

私生活では、2007年に元ウエストライフのブライアン・マックファーデンと婚約を発表するも、2010年に解消。2008年には、オーストラリア発の児童書『デルトラ・クエスト』のアニメ版のオープニング主題歌を担当。日本でのアニメ制作にオーストラリア大使館が後援した縁によるもので、日本語字幕付きで放送されました。2015年には9作目の全豪1位シングル「ウィングス」をリリースし、2018年にはオリビア・ニュートン＝ジョン役を演じた伝記テレビ映画『Olivia Newton-John: Hopelessly Devoted to You』に出演、サウンドトラックアルバムも発表するなど、女優としても活躍の場を広げました。

2021年にはアルバム『ブリッジ・オーヴァー・トラブルド・ドリームス』がオーストラリアのアルバムチャートで5作目の首位を獲得。現在も第一線で活躍を続ける、オーストラリアを代表するアーティストの一人です。

日本での活動

日本でも高い人気を誇り、アルバム『イノセント・アイズ』の日本盤リリースや、テレビ番組『笑っていいとも』への出演、松下奈緒主演映画『アジアンタムブルー』の主題歌を担当するなど、日本の音楽シーンにも貢献しています。タモリさんへのカウボーイハットのプレゼントや、松下奈緒さんとのピアノ共演など、日本のファンとの交流も深いことが知られています。

まとめ

数々の困難を乗り越え、常に進化を続けるデルタ・グッドレム。その音楽と演技、そして人柄は、世界中の人々を魅了し続けています。彼女の今後の活動からも目が離せません。

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