デルタ波

デルタ波とは

デルタ波（Delta wave）は、脳波計(EEG)で計測される、周波数が1Hzから4Hzの範囲にあり、振幅が大きい脳波の一種です。主に徐波睡眠（slow-wave sleep）との関連が知られています。

デルタ波の特徴

周波数: 1 Hz ～ 4 Hz
振幅: 高い
出現時期: ノンレム睡眠時（特にステージIV）

ノンレム睡眠のステージIVでは、計測される脳波の50%以上をデルタ波が占めるようになります。

発達段階とデルタ波

新生児の覚醒時の脳波を分析すると、デルタ波の活動が顕著に認められます。5歳児においても、覚醒時にデルタ波が見られることがあります。しかし、徐波睡眠中のデルタ波の活動は、思春期にかけて減少していく傾向にあり、11歳から14歳の被験者では、25%の減少が報告されています。

障害との関連

健康な成人の覚醒時には、通常、デルタ波の活動はほとんど計測されません。しかし、複数の研究から、陶酔状態やせん妄状態にある成人、認知症や統合失調症と診断された成人において、デルタ波の増加が確認されています。

薬物の影響

特定の薬物がデルタ波に影響を与えることが知られています。

フルニトラゼパム: デルタ波を減少させます。ベンゾジアゼピン系薬物はデルタ波に影響を与える可能性がありますが、その作用機序はベンゾジアゼピン受容体への作用とは異なる可能性があります。デルタ波はノンレム睡眠の深度を示す指標であり、深いデルタ睡眠は質の高い睡眠をもたらします。したがって、フルニトラゼパムは睡眠の質を低下させる可能性があります。
ミノサイクリン: 健康な男子学生を対象とした実験において、200mgの単回投与により徐波睡眠（Slow-wave sleep）が明らかに減少し、偽薬に変更後もその影響が2夜にわたって持続しました。一方、レム睡眠（Rapid eye movement sleep）は、すべての夜で減少は見られませんでした。

その他の脳波

脳波には、デルタ波以外にも様々な種類が存在します。

アルファ波
ベータ波
ガンマ波
シータ波

関連項目

脳波
神経振動
WPW症候群

参考文献

(参考文献リストは、必要に応じて追記してください)

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