デルタ航空1086便着陸失敗事故

デルタ航空1086便着陸失敗事故

デルタ航空1086便着陸失敗事故は、2015年3月5日午前11時2分（現地時間、東部標準時）に、ニューヨーク州ニューヨーク市のラガーディア空港で発生しました。アトランタ発のデルタ航空1086便（機種：マクドネル・ダグラスMD-88）が、着陸後の滑走中に滑走路を逸脱し、機体が大きく損傷する事故となりました。

事故の概要

事故当日、デルタ航空1086便は、アトランタのハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港を午前9時頃に離陸しました。ニューヨーク上空では、雪や氷による視界不良のため旋回しながら待機した後、午前11時頃にラガーディア空港への着陸を試みました。着陸直前には滑走路の除雪作業が行われ、先行して着陸した航空機からはブレーキの効きに問題がないことが報告されていました。

しかし、着陸後約1,500メートル滑走した地点で機体がスリップし始めました。機体は左方向に逸脱しながら約20秒間進み、最終的に盛り土上のフェンスに衝突して停止しました。停止時、機首はフラッシング湾にわずかに乗り出す形となりました。

乗客乗員132名は、緊急脱出口や非常用シューターを使用して機体から脱出しました。乗客はバスでターミナルまで移動しましたが、この事故により28人が負傷し、うち5人が病院へ搬送されました。

事故原因

事故原因の調査の結果、減速のために使用されたスラストリバーサ（逆噴射装置）が過剰に作動したことが、機体のコントロールを失った要因の一つとして指摘されました。スラストリバーサの過剰な逆推力により、方向舵周辺の気流が乱れ、機首の向きを制御できなくなったと考えられています。

また、事故当日の天候も事故に影響を与えたと考えられます。ニューヨークでは大雪のため、政府職員が自宅待機となり、学校や博物館が閉鎖されるなど、日常生活に支障が出ていました。空港周辺の積雪は9センチに達し、滑走路の除雪作業が行われていましたが、路面状況が完全ではなかった可能性も否定できません。

事故の影響

この事故により、事故機の燃料が一部漏れ出す事態が発生し、ラガーディア空港は約4時間にわたって閉鎖されました。事故機の撤去作業や滑走路の安全確認などが行われ、航空機の運航に大きな影響が出ました。

関連情報

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ラガーディア空港
* マクドネル・ダグラス MD-80

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