デルファイ (駆逐艦)

デルファイ (USS Delphy, DD-261)

デルファイ（USS Delphy, DD-261）は、アメリカ海軍に所属するクレムソン級駆逐艦の一隻です。艦名はリチャード・デルファイに由来しており、ホンダポイント遭難事件当時の艦隊旗艦として知られています。

艦歴

デルファイの起工は1918年4月20日にマサチューセッツ州スカンタムのベスレヘム造船スカンタム・ヴィクトリー工廠で行われ、同年7月18日にウィリアム・シムス提督の妻によって進水しました。1918年11月30日に艦長R・A・ドーズ中佐の指揮下で正式に就役し、その後の活動が始まります。

デルファイは、就役後の1918年12月23日から31日の間にコネチカット州ニューロンドンで潜水艦探索装置の試験を実施しました。1919年の元日には、ニューヨークのファイアアイランド沖で座礁したノーザン・パシフィック号の生存者を救助したという顕著な行動がありました。その後、1月13日にはニューヨークを出航し、カリブ海での艦隊演習や水雷訓練に参加しました。

1921年に入ると、デルファイはサンディエゴを拠点に作戦活動を行い、オーバーホールを経た1923年にはバルボアでの演習やサンディエゴ沖での魚雷実験に従事しました。

ホンダポイント遭難事件

デルファイが特に衝撃的な事件に遭遇したのは1923年9月8日です。この日は濃霧が漂うカリフォルニア州沖で、7隻の駆逐艦が次々に座礁する事態が発生しました。デルファイはこの艦隊の旗艦として避難誘導を試みましたが、残念ながら舷側を大きく損傷し、艦尾が水面下に没する形で横転しました。この事故は後にホンダポイント遭難事件として広く知られることとなり、艦上の3名が死亡、さらに15名が負傷する重大な結果を招きました。

この惨劇の後、デルファイは1923年10月26日に退役し、1925年10月19日にスクラップとして売却されました。残念ながら、2017年の時点ではアメリカ海軍において「デルファイ」と名付けられた艦艇は存在していません。

参照

• - NavSource
• - History Navy

この記事には、アメリカ合衆国政府の著作物である『Dictionary of American Naval Fighting Ships』からの情報が含まれています。

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