デンデルモンデ

ベルギーのオースト＝フランデレン州に位置するデンデルモンデ（Dendermonde [ˌdɛndərˈmɔndə]）は、デンデル川とスヘルデ川が合流する地点に名前の由来を持つ都市です。この基礎自治体は、中心市であるデンデルモンデのほか、アッペルス、バースロデ、フレムベルヘン、メスペラーレ、アウデヘム、スホーナールデ、シント＝ヒリス＝ベイ＝デンデルモンデといった複数の町で構成されています。フランス語ではテルモンド（Termonde）と呼ばれます。

歴史

中世以前

アッペルスから発見されたラ・テーヌ文化の遺物は、スヘルデ川流域における人類の長い歴史を示唆しています。2世紀や6世紀の古墳からは、ガロ・ローマ時代からメロヴィング朝にかけて、この地に比較的大きな集落が存在したことがうかがえます。843年のヴェルダン条約によりロタリンギアの一部となりましたが、883年のノルマン人の襲来後、フランドル伯ボードゥアン2世に占領され、フランドル伯領へと組み込まれました。

中世の繁栄と試練

10世紀、オットー2世はここに砦を築き、人々の入植を奨励しました。都市は1233年に特許状を得て以降、特に織物業の発展に支えられ急速に成長します。この時期には修道院や教会が建てられ、市壁も整備されました。14世紀末にはマーケット広場に織物の取引所や鐘楼が建設され、商業の中心地としての役割を果たしました。しかし、ヘントなどの周辺都市との激しい競争や、度重なる襲撃・略奪といった困難にも見舞われました。1384年からはヴァロワ家系のブルゴーニュ家の支配下に入ります。

近世以降の衰退と復興

16世紀に入ると、デンデルモンデは衰退の道をたどります。1572年にはパルマ公アレッサンドロ・ファルネーゼ率いるスペイン軍の侵攻を受け、街は壊滅的な被害を受けました。スペイン軍はデンデル川とスヘルデ川の間に砦を築きました。1667年にはフランス軍によって街は一時奪還されますが、1706年のマールバラ公ジョン・チャーチル指揮下のイングランド＝オランダ連合軍との戦闘では、再び甚大な被害を被りました。その後、支配者となったオーストリアは、フランスからの攻撃に備え都市の防衛を強化しましたが、ルイ15世による最後の包囲を経て、数年後には砦は解体されました。

産業革命と地元の綿花産業を背景に、18世紀後半はおおむね繁栄の時代でした。油脂、製靴、皮革といった産業が発展し、港湾施設は近代化され、鉄道も開通しました。しかし、20世紀に入り、第一次世界大戦では再び大きな戦禍に見舞われます。市内の家屋の過半数が破壊され、公文書の多くが焼失しました。

現在、デンデルモンデ市は、周辺地域の行政、経済、教育、医療の中枢としての役割を担っています。

主な名所

フランドル地方のベギン会修道院群（世界遺産）: 1998年にユネスコ世界遺産に登録された修道院の一つです。
ベルギーとフランスの鐘楼群（世界遺産）: 1999年に世界遺産に追加登録された、市庁舎に付属する鐘楼です。
ベネディクト会修道院: 市の中心部に位置する修道院です。
デンデルモンデ＝ピルス蒸気鉄道: デンデルモンデからピルスまでの14kmを走る、保存されている蒸気鉄道です。

近年の出来事

デンデルモンデは、10年に一度開催される教会行列で特に有名です。この行列では、巨大な馬の像「ロス・ベイアールト」が街を練り歩きます。言い伝えによれば、この馬はカール大帝の侵略から主人とその3人の兄弟を守ったとされています。

2006年8月19日には、デンデルモンデ刑務所から28人の囚人が脱走するという事件が発生しました。錆びついた古い錠前を見て脱獄を思いついた彼らは、シーツを繋いで壁をよじ登り、公衆電話ボックスを伝って逃げるという単純な手口を用いました。脱走犯のうち7人は数時間後に拘束され、残りの者も後にイタリアとロシアで逮捕されました。

2009年1月23日には、シント＝ヒリス＝ベイ＝デンデルモンデ村の保育施設で悲劇的な襲撃事件が起こりました。20歳のフランドル人の男による犯行で、職員1名と生後8ヶ月と9ヶ月の幼児2名を含む3名が死亡、20人近くが負傷しました。イタリアの歌手リチアーノ・リガブエは、この事件の犠牲者を悼み、楽曲「Quando mi vieni a prendere?」（2010年のアルバムに収録）を捧げています。

ゆかりの人物

デンデルモンデには、以下のような様々な分野で活躍した、あるいは活躍している人物がゆかりを持っています。

ポリドア・ディ・キーザー（ロンドン市長）
アルヴィン・デ・プリンス（競泳選手）
ピーター＝ジャン・ディ・スメット（宣教師）
ジェームズ・オリヴァー・ヴァン・ディ・ヴェルド（シカゴ・ミシシッピ主教）
ヤン・デ・フォス（アントウェルペン市長）
エマニュエル・ヒール（詩人、散文作家）
フェルナン・クノップフ（画家）
キム・カイ（歌手）
カロリーネ・マース（テニス選手）
ヨハネス・オケゲム（作曲家）
イボ・バンダム（長距離走選手）
パット・ヴァン・デン・ハウヴェ（サッカー選手）
ヘールト・デ・フリーガー（サッカー選手、元ベルギー代表）
ヒー・フェルホフスタット（元首相）
ディルク・フェルホフスタット（政治学者、ヒーの弟）
フランス・カウルテンス（画家）
ヤーク・ファンデルペレン（第二次世界大戦時のイギリス空軍パイロット）
ヤン・フェルハス（画家）
フランス・フェルハス（画家）
クレマン・ロレ（作曲家）
ベルニス・コピエテルス（バレエダンサー）

姉妹都市

ヘルドロプ（オランダ）
ニーンブルク/ヴェーザー|ニーンブルク_ヴェーザー（ドイツ）
ブラゴエヴグラト（ブルガリア）

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