デンマーク国立銀行

デンマーク国立銀行の概要

デンマーク国立銀行は、デンマークの中央銀行としての役割を担っています。欧州中央銀行制度（ESCB）には参加していますが、ユーロ圏には含まれていません。そのため、デンマーク独自の通貨であるクローネを発行し、金融政策を独立して運営しています。

歴史

1818年8月1日、フレデリク6世によって個人銀行として設立されました。設立当初から約90年間は通貨発行の独占権を持ち、その後、権限は徐々に拡大されていきました。1914年にはデンマーク政府唯一の銀行となり、国庫の出納事務を担当するようになりました。1936年には政府から完全に独立し、信用のある独立機関としての地位を確立しました。

目的と組織

デンマーク国立銀行は、通貨クローネの安定を維持することを主な目的としています。そのために、金融政策に関する全責任を負う理事会が設置されています。理事会は3名で構成され、議長は国王が任命し、残りの2名は役員会が任命します。2022年現在、ラーシュ・ローデ氏が総裁を務めています。

デンマーク中央政府の債務管理に関する機能も担っており、その責任区分は財務省との間で取り決められています。

金融政策

2015年2月上旬の時点で、デンマーク国立銀行の預金準備は約5600億デンマーククローネに達しました。これはデンマークのGDPの約30%に相当する額です。デンマーク国立銀行は、デンマーククローネをユーロとペッグさせ、為替レートを1ユーロあたり約7.4デンマーククローネで維持しています。

しかし、デンマーククローネが安全資産として投資家に選好される傾向や、ECBの量的緩和政策などの影響で、デンマーククローネの増価が予測されています。デンマークの10年国債の利率は、2015年1月下旬時点で0.16%と非常に低い水準であり、これは日本やドイツの国債利率よりも低いほどです。

デンマーク国立銀行は、レートを維持するためにデンマーククローネの無制限供給を行うことが可能としています。スイスも同様の状況にあり、スイス国立銀行の準備預金はピーク時にGDPの8割に達しました。スイス国立銀行はマイナス金利政策を導入し、自国通貨の安値誘導を図りました。デンマーク国立銀行もマイナス金利政策を採用しており、今後の利下げも予測されています。

ロゴ

デンマーク国立銀行のロゴには、19世紀当時のデンマークの国章が使用されています。この国章は、デンマーク、シュレースヴィヒ、ホルシュタインの徽章を組み合わせたものです。しかし、デンマークは1864年の第二次シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン戦争でシュレースヴィヒとホルシュタインを失ったため、現在、この徽章を使用しているのはデンマーク国立銀行のみです。19世紀末以降、デンマーク国立銀行が鋳造する硬貨にはハート型のミントマークが刻印されるようになりました。それ以前は、クリスチャン5世の王冠が使用されていました。

関連項目

デンマークの経済
デンマーク・クローネ

脚注

[出典元リストはここに記述]

外部リンク

* デンマーク国立銀行

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