デヴィー・クロケットのカヌー探険

ディズニーパークのカヌー型アトラクション：人力で漕ぎ進む冒険

世界各地のディズニーパークには、ユニークなカヌー型アトラクションが存在します。ゲスト自身がオールを漕いで進む、人力ならではの体験が魅力です。その歴史と特徴を、各パークのアトラクションを比較しながら詳しく見ていきましょう。

アトラクションの変遷：デヴィー・クロケットからビーバーブラザーズ、エクスプローラーへ

アメリカ開拓時代をテーマにしたこのアトラクションは、ディズニーランド（カリフォルニア）で「デヴィー・クロケットのカヌー探険」として誕生しました。アメリカ独立戦争の英雄、デヴィー・クロケットの名を冠したこのアトラクションは、ゲストが自らオールを漕いでカヌーを進める、他にはないユニークな体験を提供しました。しかし、海外パークでは、デヴィー・クロケットという人物が必ずしも広く知られているわけではないため、各パークで名称が変更されることになります。

例えば東京ディズニーランドでは、「ビーバーブラザーズのカヌー探険」として、クリッターカントリーというエリアに合わせたテーマで展開されています。ビーバー兄弟というキャラクターの設定が加わり、より親しみやすいアトラクションへと生まれ変わりました。上海ディズニーランドでは、「エクスプローラー・カヌー」という名称で、トレジャー・コーブという冒険をテーマにしたエリアに位置しています。

各パークのアトラクション詳細

1. ディズニーランド（カリフォルニア）：

フロンティアランドのアメリカ河を巡るコースは全長約700メートル。トムソーヤ島周辺の景色を楽しみながら、人力でカヌーを進めます。他のアトラクションよりも早くクローズすることが多く、平日運休も珍しくありませんでした。スター・ウォーズエリア建設のため、一時休止した歴史も持ちます。

2. マジック・キングダム（フロリダ）：

マジック・キングダムオープンと同時に登場しましたが、1994年にクローズしました。カリフォルニア版と同様のコースとライドシステムが採用されていました。

3. 東京ディズニーランド：

コース全長は約700メートルで、環状のアメリカ河を一周します。日没まで運航されています。当初は「デヴィー・クロケットのカヌー探険」として、グランマ・サラのキッチン付近に乗降場がありましたが、クリッターカントリー建設に伴い、トムソーヤ島内のトムの船着き場に変更され、「ビーバーブラザーズのカヌー探険」に名称変更されました。ビーバーブラザーズは、クローレンスとブリュースターという兄弟で、クリッターカントリーのオフィスを拠点に活動しているという設定が加えられました。彼らがチカピンヒル（後のスプラッシュ・マウンテン）にダムを作ったという物語も存在します。

4. ディズニーランド・パリ：

オープン当初は「インディアン・カヌー」としてフロンティアランドに存在していました。カリフォルニア版と同様のコースとライドシステムでしたが、1994年にクローズしました。

5. 上海ディズニーランド：

トレジャー・コーブとアドベンチャー・アイルにまたがるルートを巡ります。上海ディズニーランドにはアメリカ河が存在しないため、独自のコースが設計されています。

衰退と現在

これらのアトラクションは、人力で漕ぐというユニークな体験と、アメリカ開拓時代の雰囲気を楽しめることから、多くのゲストに人気がありました。しかし、運営コストや安全面、他アトラクションとのバランスなどの理由から、現在ではいくつかのパークでクローズされています。それでも、現在も運航されているパークでは、独自のテーマと魅力で、多くのゲストを魅了し続けています。ディズニーパークの歴史を知る上で、貴重なアトラクションと言えるでしょう。

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