デ・ハビランド・カナダ DHC-3

デ・ハビランド・カナダ DHC-3 オッター

デ・ハビランド・カナダ DHC-3 オッターは、カナダのデ・ハビランド・カナダ社によって開発された単発のSTOL（短距離・離着陸）レシプロ機です。愛称の「オッター」はカワウソを指し、この機体の特性を表現しています。

機体の開発背景

この機体の開発は、カナダのオンタリオ・プロヴィンシャル・エアサービス（OPAS）社がDHC-2 ビーバーを導入し、その成果に大変満足したことに端を発します。OPAS社はビーバーと同等の能力を持ちながら、さらにペイロードが向上した機体を希望し、デ・ハビランド・カナダに対して20機の発注を検討していました。こうして開発されたDHC-3オッターは、1951年の12月12日に初飛行を果たしました。

仕様と特徴

外見はビーバーに似ていますが、DHC-3オッターは胴体と主翼が約3メートル延長され、その結果、最大重量は50%増加しました。このため、搭載されているエンジンもより強力なものに交換されました。乗員は2名で、折り畳み式の座席を利用すれば9名の乗客を収容できます。また、救急機として使用する際には、最大6床の担架を搭載することも可能です。さらに、貨物輸送用にキャビンの床も強化されており、様々な運用に対応できる設計が施されています。

オッターはスキーやフロートを装備することが可能で、様々な地形での運航ができる柔軟性も備えています。1952年12月5日には形式証明を取得し、初回の納入が始まりました。その後、この機体は僻地における貨物および乗客の輸送手段として広く利用され、高い評価を得ることになりました。特に、「オッターのパイロットが町へ出てくるのは年に一度だけ」という言い伝えもあるほど、その存在は地域社会において特別なものでした。

また、DHC-3は軍用輸送機としても多くの国で採用されており、その中にはアメリカ軍（呼称：U-1）も含まれています。1967年に生産が終了するまでの間に、計466機が生産され、そのうち359機が軍用に使用されました。

日本での運用

日本では、1958年5月3日に日東航空がDHC-3オッターにJA3115を導入し、「つばめ号」として利用を開始しました。客席数は14名で、非常に人気のあったこの機体ですが、1963年に墜落事故を起こし、運用は終了しました。

結論

デ・ハビランド・カナダ DHC-3 オッターは、その優れた性能と versatility により、貴重な輸送手段としての地位を確立しました。特に、厳しい環境下での運用能力が評価されており、今日でも多くの国で愛用されています。また、オッターの成功を受けて、デ・ハビランド・カナダ社はその後DHC-6 ツイン・オッターの開発に踏み切り、さらなる技術革新を続けています。

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