デ・ラ・ガーディエ戦役

デ・ラ・ガーディエ戦役について

デ・ラ・ガーディエ戦役（デ・ラ・ガーディエせんえき）は、ロシア・ポーランド戦争の一環として、スウェーデンの軍勢とロシアの連合軍との間で繰り広げられた重要な戦いです。この戦役は、スウェーデン軍のヤコブ・デ・ラ・ガーディエとロシア軍のミハイル・スコピン＝シュイスキーが指揮を執り、ポーランド・リトアニア共和国内での偽ドミトリー2世に対する戦闘が中心となっていました。

背景

1609年、スウェーデン王カール9世とロシアのツァーリ・ヴァシーリー4世は、ウィボルグにおいて同盟を結びました。この同盟の結果、ロシアはスウェーデンにケックスホルム県を割譲し、代わりにスウェーデンはロシア側に立って戦うことになりました。この条約によって、連合軍は約1万人の兵力を動員し、反乱軍と戦う準備を整えました。

偽ドミトリーとの戦闘

連合軍は1609年4月にノヴゴロドからモスクワに向けて進軍を開始しました。旅の途中で、彼らは反乱軍を打ち破り、トローイツェ・セルギエヴァ・ラーヴラの包囲を解いていきました。偽ドミトリー2世は、モスクワ近郊のトゥシノで勢力を築き、ヴァシーリー4世を脅迫していました。しかし、連合軍がモスクワに到着すると、偽ドミトリー2世の支持者を追い散らし、1610年3月にはモスクワを解放し、連合軍が入城することに成功しました。この時、偽ドミトリー2世を支持していたボヤールの一部は、ポーランドの王子ヴワディスワフに対してロシア王位を求めるよう求めました。

その一方で、スコピン＝シュイスキーが暗殺され、代わりにヴァシーリー4世の弟であるドミトリー・シュイスキーが軍を指揮することとなりました。

ポーランドに対する戦役

1610年6月、デ・ラ・ガーディエとドミトリー・シュイスキーは、ポーランド軍によるスモレンスク包囲を解除するためにモスクワを出発しました。しかし、7月4日のクルシノの戦いでは、デ・ラ・ガーディエの部隊の大半がポーランドのスタニスワフ・ジュウキェフスキに寝返る事態となりました。この結果、デ・ラ・ガーディエはジュウキェフスキと停戦協定を交わし、モスクワのツァーリに協力しないことを条件に、ヴィボルグまで撤退する権利を得ることになりました。

戦役の意義

デ・ラ・ガーディエ戦役は、その後のイングリア戦争の前触れとされることもあります。この戦役を通じて、ロシア・ポーランド戦争の複雑な状況と、スウェーデンの軍事的影響力の変遷が明らかになりました。また、戦役が誤解や裏切りの連鎖を引き起こし、さらなる対立の火種となることも忘れてはならない重要な側面です。

もう一度検索