デ・ロイテル級巡洋艦 (2代)

デ・ロイテル級巡洋艦

デ・ロイテル級巡洋艦は、オランダ海軍に所属する巡洋艦の艦級として、その名は17世紀の英雄、ミヒール・デ・ロイテル提督に由来しています。元々は1938年に、スマトラ級の後継艦として計画され、1939年に建造が開始されたこの艦級は、当時の勢力に対抗できる力を持っていました。特に、15.2cmの速射砲を10門も搭載し、実戦を想定した設計が光りますが、建造中に第二次世界大戦が勃発したことでその運命は大きく変わりました。

建造と歴史

1940年にオランダがドイツに侵攻されると、本級の建造は停止し、接収されます。一番艦がドイツ海軍に使用されることになったため、艦の完成は遅れ、1944年には進水するものの、工事は中断されました。その後、オランダが連合軍によって解放されると、艦もドックで奪還されました。戦後は設計を大幅に見直し、1953年には完成した艦が就役します。

1960年代初頭には二番艦がミサイル巡洋艦として再設計され、後部主砲を取り払って対空ミサイルを装備しました。両艦は1970年代にペルーに売却され、それぞれ「アルミランテ・グラウ」と「アギーレ」となり、残りの軍歴をペルー海軍で過ごしました。前者は2017年まで現役であり、戦後初めて進水した巡洋艦として歴史に名を刻んでいます。

設計と艦形

デ・ロイテル級の艦形は、先代のデ・ロイテルを踏襲した長船首楼型です。艦首はクリッパー型で、前方に3連装の砲塔と背負い式の連装砲塔が配置され、艦体の中央には煙突があります。後部甲板にも同様に主砲を配置し、船体のバランスに優れた設計となっています。戦訓を反映した改設計では、艦橋が大型化し、主砲を15cmの自動砲に変更するなどの更新が行われました。

改装と装備

二番艦は、1960年代にミサイル巡洋艦への改装がなされ、艦形が一新されました。特に、防空用ミサイルとしてテリアミサイルを装備し、これにより艦は現代戦に適応した力を持つようになります。主砲も新型の自動砲が搭載され、対空・対艦戦闘に対応するための装備が一層充実しました。

同型艦と共通の話題

デ・ロイテル級には二艦が存在し、いずれも歴史的なバックグラウンドを持っているため、艦名の変更が見受けられ、注意が必要です。また、この艦級はペルー海軍においても歴史の一部として残り、冷戦期以降の海軍活動にも寄与しました。

デ・ロイテル級巡洋艦の設計や運用は、多くの軍艦の基幹部分に影響を与えるものでした。特に、その設計にはオランダ独自の思想が盛り込まれ、人間工学的な考慮や必要な火力を維持しつつも、時代と共に進化を遂げる姿勢が伺えます。

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