ミサイル巡洋艦
ミサイル巡洋艦について
ミサイル巡洋艦とは、ミサイルを搭載した巡洋艦のことを指し、特にアメリカ合衆国とロシアにおいて開発・運用がなされています。この艦種の特性は、国によって大きく異なり、役割や戦闘スタイルもそれぞれ異なる点が特徴的です。
開発の背景
アメリカとイギリスでは1943年頃より艦対空ミサイルの開発が始まりました。この動きは、日本による特別攻撃の脅威を受けていたことから加速したと言われています。特にアメリカにおいては、バンブルビー計画から派生したテリアなどのミサイルが開発され、こちらは中射程対応で1948年に排出されました。また、長射程型のタロスも1950年には試作を開始しました。
アメリカ海軍では、既存の巡洋艦を改修してミサイルを搭載することが主流となり、最初の改装は1952年度予算でボルチモア級重巡洋艦2隻に対して行われました。さらに、核動力を持つ艦として「ロングビーチ」も建造されましたが、その高コストによって同型艦は建造されませんでした。
当初は巡洋艦へのミサイル搭載が進められましたが、テリアの性能が駆逐艦でも十分に発揮できることが判明したため、駆逐艦を基盤としたミサイル・フリゲートの整備が加速しました。これが1975年には艦種の再編を迎え、ミサイル巡洋艦という名称に変更されました。1978年度のタイコンデロガ級に関しては、スプルーアンス級駆逐艦を基にしてイージスシステムを搭載するように設計が修正され、こちらも同様にミサイル巡洋艦として分類されるようになりました。
ソビエト連邦のアプローチ
一方、ソビエト連邦海軍は1956年から「誘導ジェット兵器を備える駆逐艦」の開発を進めていましたが、巡洋艦の喪失を懸念し、1960年代にはこれを58型ミサイル巡洋艦と改名し、正式なミサイル巡洋艦の始まりとなりました。アメリカ海軍が艦対空ミサイルを主力にしているのに対し、ソ連海軍のミサイル巡洋艦は艦対艦ミサイルを重視し、水上戦での優位を狙っています。
その他の国々の動向
ミサイル巡洋艦のカテゴリーは国によって微妙に異なります。例えば、国際戦略研究所では満載排水量9,750トン以上の水上戦闘艦を一律にミサイル巡洋艦として分類しています。このため、海上自衛隊のあたご型護衛艦や、韓国海軍の世宗大王級駆逐艦、さらには中国人民解放軍海軍の055型駆逐艦などがミサイル巡洋艦として認識される場合もあります。
主要なミサイル巡洋艦のリスト
アメリカ海軍
ソビエト連邦海軍/ロシア海軍
その他の国々
イタリア海軍や海上自衛隊が保有している艦艇の中には、ミサイル巡洋艦として名前が挙がることがある艦も存在します。たとえば、イタリア海軍のルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィ級軽[[巡洋艦]]などがその一例です。
結論
このように、ミサイル巡洋艦はそれぞれの国のニーズや戦略に応じて多様な姿を持ちながら、海上戦力の一環として重要な役割を果たしています。各国の艦種や設計の違いは、それぞれの国の海事戦略や歴史的背景を反映しているため、興味深い研究対象となっています。
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