トゥリア川

トゥリア川の概要

トゥリア川（バレンシア語: Riu Túria、スペイン語: Río Turia）は、スペイン東部を流れる重要な河川であり、アラゴン州のグアダラビアルにその源を発します。バレンシア市を通り、最終的には地中海に注ぎます。この川は10世紀から「グアダラビアル」とも呼ばれており、アラビア語で『白い川』を意味します。特にテルエルで支流のアルファンブラ川（アラビア語で『赤』を意味する）と合流することで、川水が赤く濁る現象が知られています。

季節ごとの変化

トゥリア川は典型的な地中海河川の特徴を持ち、季節ごとにその流れや水質が変化します。源流部では小さな水流で始まり、その後渓谷を刻みながら広がっていきます。ヘア・デ・アルバラシンの近くでは、清浄な水と適温が保たれており、ここでは天然マスが生育するのに理想的です。

今後、川はテルエルでアルファンブラ川と合流しますが、この支流は夏季には水量が顕著に減少します。この川の名称がグアダラビアルからトゥリアに変わるのは、テルエルを経てバレンシア県に入ってからです。

トゥリア自然公園

トゥリア川の流域は、トゥリア自然公園の一部となっています。リンコン・デ・アデムスやロス・セラノス地域では、アレッポマツやフランスカイガンショウなど、多種多様な植物が生育しています。この地域には、グラナダノウサギやアナウサギ、ムナジロカワガラス、サンバガエルといった動物たちも生息しており、生態系が豊かです。2019年にこのエリアはユネスコの生物圏保護区に指定され、保護活動が行われています。

歴史的洪水とその影響

特にバレンシアでは、トゥリア川による洪水が歴史的に問題となってきました。例えば、1957年10月14日にはバレンシア大洪水が発生し、なんと3,700立方メートル毎秒もの水が溢れ出し、市民に大きな混乱をもたらしました。この事件は、さらなる洪水を防ぐための対策を急務とし、運河の建設が検討されるきっかけとなりました。

現在、バレンシア市の南には増水時にのみ流れる川床が設けられ、本流は運河を通じてベガ・デ・バレンシア郡を流れるようになっています。この過去の洪水を教訓として、古い川床はトゥリア公園として整備され、市民の憩いの場や文化施設が充実しています。公園内には、文化複合施設である芸術科学都市が設務され、地域の文化活動を支えています。

トゥリア川は、その流域の生態系や文化に大きな影響を与えた重要な存在であり、今もなお地域住民に親しまれています。

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