トゥルチャ県

トゥルチャ県（Județul Tulcea）

トゥルチャ県は、ルーマニアのドブロジャ地方に位置する県で、県都はトゥルチャ市です。特にドナウ・デルタが有名で、その豊かな自然が特徴です。

人口統計

2021年の国勢調査によると、トゥルチャ県の人口は193,355人です。人口密度は22.8人/km²と、ルーマニアの県の中で最も低い値を示しています。民族構成は以下の通りです。

ルーマニア人 - 153,094人
リポヴァン人 - 8,010人
ロマ人 - 3,963人

ドナウ・デルタにはリポヴァン人のコミュニティーが、県の南部にはトルコ人のコミュニティーがあります。かつてはルーマニアにおけるイスラム教の中心地でもありました。

地理

トゥルチャ県は、東は黒海、西はブライラ県、北西はガラツィ県、北はウクライナ、南はコンスタンツァ県に接しています。

ドナウ・デルタ

県の北東部に位置するドナウ・デルタは、県の面積の3分の1を占める最も特徴的な地域です。デルタには主要な支流が3つあります。

スリナ川：大型船で航行できる唯一の支流
キリア川：ウクライナとの国境
スフントゥ・ゲオルゲ川

南東にはラジム湖とシノエ湖の2つの潟湖があります。スフントゥ・ゲオルゲ運河とラジム湖に挟まれた地域には、無数の運河と小さな湖が点在しています。この地域全体はユネスコの世界遺産（自然遺産）に登録されており、自然保護区となっています。

ドナウ川は、トゥルチャ県の西と北を蛇行しながら流れています。西部では、支流のマチン川が大ブライラ島を形成しています。ブライラの対岸スムルダンからトゥルチャに近いパトラジャーンカまでは、ドナウ川は大きな一本の流れとなり、周囲には無数の湖と小さな運河が広がっています。

県の中央部には、カシンチェア平野とマチン山地が広がっています。マチン山地は400万年前の山脈の名残であり、最も標高の高い場所でも400mです。

経済

トゥルチャ県では、農業と漁業が産業の中心となっており、人口の約48%がこれらの産業に従事しています。工業は主に大きな町に集中しています。

観光

観光は、ドナウ・デルタを含むトゥルチャ県にとって重要な産業です。特に以下の地域が観光地として知られています。

スリナの町：ドナウ川流域の一番下流にある町
スフントゥ・ゲオルゲ、マフムディア、クリシャン、カラオルマン、キリア・ヴェケ周辺地域
トゥルチャ市

行政区画

トゥルチャ県は、1つの都市、4つの町、46の基礎自治体で構成されています。

主な都市

トゥルチャ（約9万人）

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