トゥ・ザ・ワンダー

トゥ・ザ・ワンダー

『トゥ・ザ・ワンダー』（To the Wonder）は、テレンス・マリック監督による2012年公開のアメリカ映画です。オルガ・キュリレンコとベン・アフレックが主演を務め、愛、喪失、そして信仰といった普遍的なテーマを、美しい映像と繊細な演出で描き出しています。

ストーリー

物語は、フランスのモン・サン・ミシェルで出会ったニールとマリーナの恋愛から始まります。アメリカ人作家志望のニールは、マリーナとその娘タチアナと出会い、3人は共にオクラホマの小さな町で新しい生活を始めます。しかし、束の間の幸せな時間は長くは続かず、次第にニールとマリーナの関係には亀裂が入り始めます。マリーナは娘と共にフランスへ帰国し、ニールは幼馴染の女性と関係を持つなど、それぞれの道を進みます。しかし、再びマリーナがアメリカに戻ってくると、ニールは彼女と結婚します。しかし、その関係もまた、さまざまな困難に直面し、愛とは何か、人生の意味とは何かを問いかけます。また、町の教会で神父を務めるクインターナも、神の存在意義に苦悩し、信仰と現実の間で葛藤します。

キャスト

ニール：ベン・アフレック
マリーナ：オルガ・キュリレンコ
ジェーン：レイチェル・マクアダムス
クインターナ神父：ハビエル・バルデム
タチアナ：タチアナ・シラン

スタッフ

テレンス・マリック監督作品の常連であるエマニュエル・ルベツキが撮影を担当し、美しい映像を作り上げています。音楽はハナン・タウンゼンドが担当しました。

監督・脚本：テレンス・マリック
製作：ニコラス・ゴンダ、サラ・グリーン
製作総指揮：グレン・バスナー、ジェイソン・クリークスフェルト、ジョセフ・クリークスフェルト
音楽：ハナン・タウンゼンド
撮影：エマニュエル・ルベツキ
美術：ジャック・フィスク
衣装デザイン：ジャクリーン・ウェスト

製作の背景

当初、クリスチャン・ベールが出演予定でしたが、最終的にベン・アフレックが代役を務めることになりました。撮影はオクラホマ州を中心に、実験的なアプローチで行われました。役者には脚本や照明は使用されず、即興的な演技が求められました。また、ジェシカ・チャステイン、レイチェル・ワイズ、アマンダ・ピートらの出演シーンは最終的にカットされています。

公開と評価

2012年のヴェネツィア国際映画祭でワールド・プレミア上映され、その後、トロント国際映画祭でも上映されました。批評家からは賛否両論がありましたが、ロジャー・イーバートは好意的な評価を与えています。

テーマと解釈

本作は、愛、喪失、信仰といったテーマを、詩的な映像と音楽で表現しています。登場人物たちの心の葛藤や、人間関係の複雑さを描き出し、観る者に深く考えさせる作品となっています。テレンス・マリック監督独特の映像美と哲学的なテーマは、観る人によって様々な解釈を生むでしょう。

外部リンク

公式ウェブサイト（英語）)
allcinema)
* IMDb（英語）)

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