トゥーンアディショナルピクチャーズ

株式会社トゥーンアディショナルピクチャーズ：日本のアニメーションを支えるポストプロダクション

株式会社トゥーンアディショナルピクチャーズ（TAP）は、日本のアニメーション業界において重要な役割を担う、制作総合ポストプロダクション会社です。トムス・エンタテインメントの子会社として、長年にわたり数多くのアニメーション作品に携わってきました。

歴史：フィルムからデジタルへ、進化を続ける技術

TAPの歴史は1988年にまで遡ります。東京ムービーの撮影部門を独立させる形で設立された「株式会社トムス・フォト」がその始まりです。当初はフィルム撮影を専門としていましたが、アニメーション業界全体を席巻したデジタル化の波を受け、積極的にデジタル技術への移行を進めました。

1999年頃から、デジタルペイントやデジタル撮影（コンポジット）を専門とする「トムスフォト・デジタル・イメージ（TDI）」、ノンリニア編集部門「トムスフォト・ドリームボックス（TDB）」が社内に設立され、デジタルワークフローへの対応を強化。代表的な作品である『それいけ！アンパンマン』や『名探偵コナン』などは、制作途中でセルアニメーションからデジタルアニメーションへの移行を経験しており、TAPはその過程を支える重要な役割を果たしました。

セルアニメーションが廃れていく中で、フィルム撮影部門のスタッフもデジタル撮影へと転換。新たなデジタル撮影部門「トムスフォト・デジタル・ファクトリー（TDF）」が設立され、撮影設備やスタッフはTDFに集約されました。

そして2024年4月1日、社名を「株式会社トゥーンアディショナルピクチャーズ」へと変更。新たな体制でアニメーション業界への貢献を続けています。

主要作品：日本のアニメ史を彩る作品群

TAPは、数多くのアニメーション作品に携わってきました。その作品リストは実に多岐に渡り、日本のアニメーション史における重要な作品が数多く含まれています。

テレビアニメ:『それいけ！アンパンマン』、『名探偵コナン』、『ルパン三世』シリーズ、『とっとこハム太郎』シリーズなど、国民的な人気を誇る作品から、『魔法騎士レイアース』、『モンスターファーム』といった人気作まで、幅広いジャンルの作品に参加。撮影、デジタルペイント、編集など、様々な工程でその技術を提供しています。

劇場アニメ:『それいけ！アンパンマン』シリーズを始め、『名探偵コナン』シリーズ、『AKIRA』など、数々の劇場アニメ作品にも携わり、高いクオリティの映像制作に貢献。

OVA:『宇宙の戦士』、『ダーティペア FLASH』、『レイアース』など、OVA作品にも多数参加。

ゲーム:『サクラ大戦』、『天外魔境 第四の黙示録』など、ゲーム作品においてもその技術を提供しています。

組織：専門性の高い部門体制

TAPは、撮影、彩色、映像編集といった専門性の高い部門から構成されています。それぞれの部門は高度な技術と経験を持つスタッフによって運営されており、効率的かつ高品質なポストプロダクションを実現しています。

Toon Driven Filming (TDF): 撮影部門
Toon Design Idealcolor (TDI): 彩色部門
* Toon Depict Bee (TDB): 映像編集部門

これらの部門が連携することで、アニメーション制作における様々なニーズに対応できる体制が構築されています。

まとめ

株式会社トゥーンアディショナルピクチャーズは、長年の歴史と高度な技術力を誇る、日本のアニメーション業界を支える重要な企業です。デジタル技術への対応力も高く、今後も日本のアニメーション文化の発展に大きく貢献していくことが期待されます。

もう一度検索