トウキョウ・ジャンボリー

トウキョウ・ジャンボリー



『トウキョウ・ジャンボリー』(Tokyo Jumboree)は、日本のカントリー・ミュージック史において重要な位置を占める、ウェスターン・オール・スターズ名義で1958年に発表されたアルバムです。この作品は、当時の日本のウエスタン界で活躍していたトップミュージシャンたちが一堂に会して制作された、貴重な記録となっています。東京芝浦電気レコード(現:ユニバーサル ミュージック合同会社 / EMI Records)よりリリースされ、その後の日本のポピュラー音楽、特にカントリー・ミュージックの発展に影響を与えた一枚と言えるでしょう。

本作の演奏を支えたバック・バンドは、当時日本のウエスタン界を代表する二つのグループ、堀威夫とスイング・ウェスト、そして原田実とワゴン・エースから、特に腕利きのメンバーが選抜されて構成されています。これらのバンドは、それぞれが独自の色を持ちながらも、日本のカントリー・ミュージックの普及に貢献していました。このオールスター編成により、各メンバーの卓越した技術と個性が融合し、聴き応えのあるサウンドが生み出されています。

アルバムに収録された楽曲は、当時のアメリカのカントリーやウエスタン音楽のスタンダードを中心に、日本のリスナーにも馴染みやすい選曲がなされています。全10曲が収録されており、それぞれ異なるシンガーがフィーチャーされていることも特徴です。

収録曲



本作はA面、B面にそれぞれ5曲ずつ収録されています。

Side 1

デヴィルス・ドリーム・メドレー (Devil's Dream Medley)
ミネトンカの湖畔にて (By the Water of Minnetonka)
コールド・コールド・ハート (Cold, Cold Heart)
君を求めて (My Shoes Keep Walkin' back to You)
太く短かく (Live Fast, Love Hard, Die Young)

Side 2

ティーンエイジ・ブギー (Teenage Boogie)
時経れば (Time Changes Everything)
キャンディー・キッセス (Candy Kisses)
ロング・ゴーン・ロンサム・ブルース (Long Gone Lonesome Blues)
ワイルドウッド・フラワー (Wildwood Flower)

参加ミュージシャン



「ウェスターン・オール・スターズ」として本作に参加したミュージシャンは、日本のカントリー・ミュージックシーンにおけるパイオニアたちです。

フィーチャリング・シンガー

菊地正夫 (Masao Kikuchi) - Side 1, トラック2を担当
黒田美治 (Yoshiharu Kuroda) - Side 1, トラック3を担当
石橋イサオ (Isao Ishibashi) - Side 1, トラック4を担当
寺本圭一 (Keiichi Teramoto) - Side 1, トラック5および Side 2, トラック2を担当
釜萢ヒロシ (Hiroshi Kamayatsu) - Side 2, トラック1を担当
斎藤任弘 (Yoshihiro Saito) - Side 2, トラック3を担当
関口良信 (Yoshinobu Sekiguchi) - Side 2, トラック4を担当

バンド

演奏は、原田実とワゴン・エース、堀威夫とスイング・ウェストのメンバーによって行われました。

原田実 (Minoru Harada): スティール・ギター (ワゴン・エース所属)
大森利雄 (Toshio Omori): スティール・ギター (スイング・ウェスト所属)
瀬谷福太郎 (Fukutaro Seya): エレクトリック・ギター (トラック2-5以外) (ワゴン・エース所属)
藤本精一 (Seiichi Fujimoto): フィドル (トラック1-1でフィーチャー) (ワゴン・エース所属)
新井利昌 (Toshimasa Arai): アコーディオン、ピアノ (スイング・ウェスト所属)
植田嘉靖 (Yoshiyasu Ueda): ベース、エレクトリック・ギター&ヴォーカル (トラック2-5のみ) (スイング・ウェスト所属)
佐野純 (Jun Sano): ベース (トラック2-5のみ) (ワゴン・エース所属)
田邊昭知 (Shochi Tanabe): スネア・ドラム (スイング・ウェスト所属)

制作

二荒芳忠 (Yoshitada Futara): レコーディング・ディレクター

このアルバムは、当時の日本の音楽業界において、ジャンルを超えた実力派ミュージシャンが集結して制作された稀有な例であり、後の音楽シーンにも影響を与える礎となった作品と言えるでしょう。

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