トカンチンス川

トカンチンス川について

トカンチンス川（Tocantins）は、ブラジルの中部を流れる大きな川であり、長さ約2640kmを誇ります。この川は南から北へと流れ、大西洋に注ぎます。トカンチンス川の名前は、トゥピ語で「オオハシのくちばし」を意味し、風景とも結びついています。川の流域はゴイアス州、トカンチンス州、マラニャン州、パラ州の4つの州に広がっており、地元の人々にとって重要な水運の動脈となっています。

流路と支流

川の源流はブラジリア連邦直轄区のピレネウス山地から始まります。トカンチンス川には、アラグアイア川という西の支流があり、この川は最南部の水源を持つカイアポス山地に端を発します。アラグアイア川はトカンチンス川と合流する長さが1670kmにも及び、流量もほぼ同等です。また、モルテス川やアラグアイア川の支流が多く存在し、これによってカヌーによる長距離航行も可能です。

流れの途中には、滝や急流、岩がむき出しになった峡谷が点在しており、川下りをする際にはこれらの障害物に遭遇することがよくあります。また、マラニャン川とパラナティンガ川の二つの支流も特に南部や南東部の高地から大量の水を集めており、トカンチンス川の流れをより豊かにしています。時には流れが岩場にはばまれ、直角に曲がる場所もあります。

土木プロジェクト

トカンチンス川の下流、特にパラ州では、多数の滝や急流が存在し、その中で特に注目されるのがトゥクルイダムです。このダムは1980年代の初めに建設され、世界最大級の人造湖を形成しました。トゥクルイダムの建設には長い時間がかかるとともに、資金不足によってほぼ十年の期間が必要とされました。このダムの完成により、川の航行が可能となり、閘門による運行体系が整備されています。

地質的特性

地質的に見ると、トカンチンス川とその支流のアラグアイア川は、砂と粘土からなる広い谷を形成しており、そこを険しい断崖が見下ろしています。これらの断崖は標高300から600mの砂岩の高原で、その周囲の土地と共に川の底を侵食し続けています。川の河口に近づくにつれ、この高原は徐々に姿を消し、沖積平野へと変わります。この地域は森林に覆われた広大な土地を広げています。また、アマゾン川の最終的な大支流として、トカンチンス川はその重要な生態系の一部となっています。

流量特性

トカンチンス川は非常に多くの水を流しています。平均的な流量は約13,598m³/sで、流域1㎢あたり14.4リットル/sに相当しています。トカンチンス川の支流においても流量は異なり、アラグアイア川は16リットル/s、パラ川は17リットル/s、グアマ川は21リットル/sと、各支流の特性を反映しています。このように、トカンチンス川はその流域全体において重要な水資源を提供しているのです。

トカンチンス川はその多様な自然環境、交通手段、そして地理的特性によって、ブラジルの重要な地理的要素の一つとなっています。

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