トッカリショ

トッカリショは、北海道室蘭市に位置する、風光明媚な景勝地です。その名前はアイヌ語の「トカル・イショ」（アザラシ・岩）に由来します。

かつて、この地は名前の通り、アザラシが群れをなして集まる岩場でした。冬季になると室蘭近海には多くのアザラシが集まり、特にトッカリショの海岸の岩場は、彼らの格好の休息地となっていたようです。しかし、現在では、アザラシの姿は以前ほど頻繁には見られなくなりました。そして、「トッカリショ」という地名は、岩場そのものではなく、展望台の下に広がる砂浜を指す名称として使われています。

トッカリショの地形的な特徴は、海抜約80メートル前後の高さを持つ、凝灰岩質の断崖が連なっていることです。これらの断崖は、東側のイタンキ浜付近まで続いており、緑豊かな植生と、長年の風雨によって形成された奇岩とが織りなす景観は、訪れる人々を魅了します。特に、断崖と海のコントラスト、そして打ち寄せる波の音は、自然の雄大さを感じさせてくれます。

この印象的な景観から、トッカリショは室蘭市を代表する景勝地の一つとして、「室蘭八景」に選ばれています。室蘭八景とは、室蘭市が誇る8つの特に美しい景観地のことで、トッカリショはその中でも自然の美しさを際立たせている場所と言えるでしょう。また、トッカリショは国の名勝「ピリカノカ」の一部としても指定されています。「ピリカノカ」は、アイヌ語で「美しい形」という意味を持ち、その名の通り、自然が作り出した美しい景観を保護・継承していくことを目的としています。



関連情報

日本国指定名勝の一覧
室蘭市 室蘭八景
* 国指定文化財等データベース

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