凝灰岩

凝灰岩について

凝灰岩（ぎょうかいがん、英: tuff）は、火山活動に関連し、火山灰が地上や水中に集積して形成された岩石です。通常は成分が火山由来ですが、堆積過程から堆積岩の一種である火山砕屑岩にカテゴライズされます。通常、凝灰岩は数ミリメートル以下の細かい火山灰が凝固してできたものであり、色は白色や灰色から、暗緑色・暗青色・赤色と多岐にわたります。塊状で特有の割れ方はありませんが、場合によっては層状構造を持つこともあります。

凝灰岩の種類

凝灰岩は、火山灰の生成される条件やその後の堆積状況に応じて、さまざまな種類に分類されています。以下は、代表的なさまざまな凝灰岩の種類です。

軽石凝灰岩

軽石凝灰岩（浮石凝灰岩）は、噴火の際に地上に噴出された軽石を主成分とする岩石です。これらは流紋岩または安山岩からなることが多く、日本の栃木県宇都宮市では著名な大谷石がこの種類に該当し、建築資材としても広く利用されています。

溶結凝灰岩

溶結凝灰岩は、巨大なカルデラ噴火に伴い大量の高温火山灰が堆積した際に形成されます。堆積後にも高温が保たれると、火山灰は再融解し粒子同士がくっつくことがあり、この過程を「溶結」と呼びます。このタイプの凝灰岩は、冷却時に析出した際に柱状節理を形成することが多い特徴があります。北海道の大雪山や阿蘇山周辺で見られる美しい柱状節理がその例です。

緑色凝灰岩

緑色凝灰岩（グリーンタフ）は、新生代第三紀の海底[[火山]]活動に起因し、日本列島の基幹を成す岩石の一つです。特に中国地方の日本海側から関東、東北地方に広がっており、緑泥石による緑色や灰緑色の特徴があります。

輝緑凝灰岩

輝緑凝灰岩（schalstein）は塩基性の凝灰岩と呼ばれ、やや変質した鉱物が多く含まれており、緑色や赤色を呈します。

礫質凝灰岩

礫質凝灰岩には、火山活動中に他の岩石を取り込みながら噴出したものが含まれています。軽石を含むことが一般的で、場合によっては溶結していることもあります。

凝灰岩層と地理的影響

凝灰岩層は他の岩石層に比べて軟弱で、地下水を含みやすいため、しばしば地滑りの危険要因とされています。特に日本のように凝灰岩層が多い地域では、建物を建設する際には地盤調査が非常に重要です。また、河川による浸食に弱いことから多彩な地形を形成し、風光明媚な景観を生む要因にもなっています。たとえば、群馬県の吹割の滝や愛知県の鳳来峡はその良い例です。

石材としての利用

凝灰岩は、軽量で扱いやすい特性から、石材としても利用されています。ただし、風化されやすいので、細工には適していません。産地によって特性が異なり、たとえば「札幌軟石」や「大谷石」、「十和田石」といった名称が付けられることがあります。大谷石は特に耐火性に優れており、石蔵や石壁に広く利用されています。また、伊豆青石や十和田石は、温泉の岩風呂などにも使われることが多いです。

参考文献

• - 木股三善・宮野敬編修『原色新鉱物岩石検索図鑑』北隆館、2003年。
• - 木下亀城、小川留太郎『岩石鉱物』保育社、1967年。

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