トップシークレット (ゲーム)

『トップシークレット』（英題：Bionic Commando）は、カプコンが1987年3月にアーケードでリリースした横スクロールアクションゲームです。特徴的なのは、ワイヤーアクションを駆使した移動方法で、このシステムが後のゲームに大きな影響を与えました。

ゲームシステム

ゲームの目的は、制限時間内にスタート地点から上方向または右方向にあるゴールに到達することです。主人公は『戦場の狼』の「スーパージョー」で、ワイヤーは一種のバイオニックアームという設定です。操作はレバーと2つのボタンで行います。

ボタン1: 銃を発射して攻撃します。銃は水平方向にしか撃てませんが、立ち状態としゃがみ状態で高さを調整できます。
ボタン2: 左手のワイヤーガンからワイヤーを発射します。通常は水平、真上、斜め上にも発射可能です。ワイヤーが地形に接触すると、そこを支点にワイヤーを巻き取って移動できます。また、ワイヤーを離すことも可能です。

主人公はジャンプができませんが、ワイヤーを使って足場を移動します。斜め上にワイヤーを引っ掛けて振り子のように移動し、穴や敵を飛び越えたり、一部の敵を弾き飛ばすことも可能です。また、ワイヤーでアイテムを引き寄せたり、敵を転ばせたりもできます。

アーケード基板には旧バージョンと新バージョンがあり、新バージョンではバグ修正や難易度調整が行われています。また、日本版と海外版では主人公のデザインが異なり、日本版はデフォルメされたデザイン、海外版は頭身の高いデザインとなっています。

ゲーム仕様

アイテム

ステージ各所で上空からパラシュートで供給されます。スコア獲得アイテムと銃器があり、銃器は種類によって威力や連射速度、射程が異なります。

エクステンド

2万点、4万点、6万点、100万点到達時に最大4回行われます。設定はディップスイッチで変更可能です。

その他

旧バージョンでは、スクロール方向が変わる瞬間にキャラクターが重なると、強制リセットや画面フリーズが発生するバグがありました。
旧バージョンでは、制限時間が0になると同時にステージクリアすると、次のステージでタイムが減らない永久パターンが可能でした。
新バージョンでは、ステージ4でヘリコプターを撃ち続けることで得点を稼げる半永久パターンが可能でした。
コンティニュー画面でカウントが0の時にコンティニューすると、クレジットを消費してもすぐにゲームオーバーになるバグがありました（2人プレイの場合は例外）。

ストーリー

世界戦争から十数年後、再び出現した敵の陰謀を阻止するため、特殊部隊が敵基地に潜入します。特殊部隊の使命は、敵の国際的陰謀を調査し、巨大ミサイルを破壊することです。

ステージ構成

ステージ1: 森の中にある敵の前線基地。電気柵や不発弾などの基地らしい構造物と、樹木や蜂の巣などの自然物が混在しています。人食いムササビはワイヤーで追い払えます。
ステージ2: 基地の外壁を登り、内部へ侵入します。敵兵の種類が増え、砲台などのギミックも多様化します。サーチライトに触れるとトーチカから砲台が出現します。
ステージ3: 地下から基地内部へ侵入し、工場施設へと進みます。二足歩行兵器を操る小柄な兵士や、巨大ロボット、クレーンなど大型のギミックが登場します。シャッターはスイッチで開閉できます。
ステージ4: シャッターで守られた空間を通過し、リフトで基地上部へ。多数のヘリコプターや敵兵が攻撃してきます。
ステージ5: ミサイル発射台に到達。カウントが0になるまでに発射装置を破壊する必要があります。発射を阻止した後、逃亡する最高司令官を倒すとゲームクリアです。クリア後、より難易度の高い2周目に突入します。

他機種版

『トップシークレット』は、多くのプラットフォームに移植・アレンジされました。

ファミリーコンピュータ版

日本版は『ヒットラーの復活 トップシークレット』、海外版は『Bionic Commando』というタイトルで発売されました。ワイヤーアクション以外はシステム、ストーリー共に一新され、ワイヤーアクションそのものも改良されています。

空中でワイヤーを離しても、銃撃やワイヤー発射が可能になりました。
会話シーンやマップ画面が挿入され、ステージ数やストーリー性が増しました。
中立エリアでは、情報やアイテムが入手できます。
ライフ制を導入し、複数の武器やアイテムを所持できるようになりました。

ストーリーは、主人公「ラッド」が「スーパージョー」を救出し、ヒットラーの復活を阻止するという内容です。海外版では、ナチス関連の表現が修正されています。

ゲームボーイ版

ゲームシステムは『ヒットラーの復活』とほぼ同じですが、キャラクターデザインや世界設定が一新され、難易度も調整されています。ナチスやヒットラーに関する要素は取り除かれ、世界観が近未来的なものに変更されました。

Bionic Commando: Elite Forces

ゲームボーイカラー版として発売。主人公が男女2人になり、トップビューモードや一人称視点モードが追加されました。日本では未発売です。

バイオニックコマンドー マスターD復活計画

PLAYSTATION 3、Xbox 360向けに配信されたリメイク作品です。ファミコン版『ヒットラーの復活』をベースに、グラフィックが3Dで描き直されました。新しいアームアクションやボスキャラクターが追加され、ゲーム内容も強化されています。ストーリーや設定は海外版『Bionic Commando』を基にしたものに統一されています。

サウンドトラック

『トップシークレット』のサウンドトラックは、以下のアルバムに収録されています。

『カプコン・ゲーム・ミュージック VOL.2』（1988年）
『バイオニックコマンドー / デッドライジング』（2009年）
『戦場の狼&トップシークレット オリジナルサウンドコレクション』（2015年）

開発

『トップシークレット』の開発者は、『戦場の狼』も手掛けた藤原得郎です。ワイヤーアクションは、藤原氏がコナミ在籍時に制作した『ロックンロープ』のワイヤーアクションを発展させたものです。

評価

アーケード版は、ゲーメストムックで「秀作ゲーム」に選出され、ワイヤーアクションを使いこなせるようになるとゲームが楽しくなると評価されました。

ファミリーコンピュータ版は、ゲーム誌で難易度の高さが指摘されたものの、「難しいけど面白い」と肯定的に評価されました。

ゲームボーイ版は、ゲーム誌で評価が分かれましたが、ゲーム性自体は高く評価されました。

続編

『トップシークレット』の続編として、以下の作品が発売されています。

バイオニックコマンドー: 三人称視点のアクションゲームで、ジャンプが可能になり、ワイヤーアクションも多彩になりました。
Bionic Commando Rearmed 2: 『マスターD復活計画』の続編で、日本国外のみで配信されました。

関連作品

ミッキーのマジカルアドベンチャー: ワイヤーアクションに似たアクションが可能です。
NAMCO x CAPCOM: キャラクター「シルフィー」がワイヤーアクションを使用します。

『トップシークレット』は、その斬新なゲームシステムとアクション性で、ゲーム史に名を残す名作です。ぜひプレイしてみてください。

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