トップリフター

トップリフターは、ISO規格の海上コンテナ（20フィート以上）を効率的に取り扱うために設計された特殊なフォークリフトです。一般的なフォークリフトがフォーク（爪）を貨物の下に差し込んで持ち上げるのに対し、トップリフターはコンテナ上部の四隅にあるツイストロックホールにスプレッダーを嵌合させ、上から吊り上げる方式を採用しています。

構造



トップリフターの車体構造は、基本的なカウンターバランス型フォークリフトを踏襲していますが、重い実入りコンテナを多段に積み重ねるために、車体よりも高い位置まで伸縮する頑丈な2段伸縮マストを備えています。運転席は地上4～5メートルの高さに設置されており、鉄道貨車やトレーラーに積載されたコンテナの上部を確認しやすく、スプレッダーの操作を容易にする設計となっています。

スプレッダー：コンテナを吊り上げるための装置で、コンテナの長さに合わせて幅を伸縮調整できます。日本の規格では、左右のツイストロックピンの間隔が6060mmから12200mmまで伸縮可能なものが多く使われており、20フィートから40フィートのISO規格コンテナに対応します。近年利用が増えている31フィートコンテナの取り扱いにも利用されます。

ツイストロック機構：スプレッダーの四隅にあるツイストロックピンを、コンテナの四隅にあるツイストロックホールに差し込み、90度回転させてロックすることで、コンテナとスプレッダーを固定します。このツイストロック機構は、4本のピンがすべてコンテナのホールに正しく嵌合していないとロックできない安全装置が組み込まれています。また、コンテナが地面に着床していない状態では、ロックを解除できないインターロック方式を採用し、荷役作業中の落下事故を防ぐよう配慮されています。

インターロックシステム：スプレッダーの昇降操作は、ツイストロックピンがロックまたはアンロックの位置にないと操作できないように設計されており、不完全なロック状態での誤操作を防ぎます。運転席のメーターパネルには、ツイストロックピンの状態やインターロック装置の状態が表示され、安全な作業をサポートします。

空コンテナ専用トップリフター：実入りコンテナを扱うトップリフターは4本のツイストロックピンを使用しますが、空コンテナ専用のトップリフターでは、車体側の左右2箇所にのみツイストロックする「2ピン スプレッダー」を備えた機種もあります。これらは「空バンスプレッダー」または「空バン用リフター」と呼ばれます。

最新技術



最新のトップリフターには、吊り上げられたコンテナの重量を表示する装置、ツイストロックピンの状態をカメラで確認できるカラーモニター、コンテナに貼付されたICタグを読み取り位置情報を管理するシステム、作業スケジュール情報を表示するコンピューターなどが搭載されています。これらの技術により、より効率的かつ安全なコンテナ取り扱いが可能になっています。

主要メーカー




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