トニー・ゴンザレス (アメリカンフットボール)

トニー・ゴンザレス：NFL史に残る偉大なタイトエンド

トニー・ゴンザレス（Anthony "Tony" David Gonzalez, 1976年2月27日 - ）は、カリフォルニア州トーランス出身の元プロアメリカンフットボール選手です。NFLのカンザスシティ・チーフスやアトランタ・ファルコンズなどで活躍し、ポジションはタイトエンド。卓越したレシーブ能力でリーグを席巻し、数々の記録を打ち立てました。

プロ入り前

シングルマザーの元で育ったゴンザレスは、ハンティントンビーチ高校でアメリカンフットボール、バスケットボール、野球の才能を発揮。アメリカンフットボールでは、高校3年次に62回のパスキャッチ、945ヤード、13タッチダウンを記録し、オールアメリカンに選出されました。バスケットボールでも平均26得点を挙げ、オレンジ郡及びサンセットリーグのMVPに輝くなど、非凡な運動能力を示しました。オレンジ郡の年間最優秀高校生アスリートの座をタイガー・ウッズと分け合ったエピソードも残っています。

カリフォルニア大学バークレー校に進学後も、アメリカンフットボールとバスケットボールを両立。アメリカンフットボールでは、3年次に92回のパスキャッチ、982ヤード、23タッチダウンというNCAAディビジョンIのタイトエンドとしては記録的な成績を残し、PAC10及びオールアメリカンに選ばれました。バスケットボールでもNCAAトーナメントのベスト16入りに貢献するなど、マルチな才能を発揮しましたが、4年次には進級せず、NFLドラフトにアーリーエントリーすることを決断しました。

プロ入り後

1997年のNFLドラフトで、ゴンザレスはその年のタイトエンドとして最も有望な選手と見なされ、カンザスシティ・チーフスから全体13位指名を受けて入団。1年目から33回のキャッチで2タッチダウンを記録し、スペシャルチームでもパントブロックを成功させるなど、その才能の片鱗を見せました。

1999年には76回のキャッチで849ヤード、11タッチダウンを記録し、初のプロボウルに選出。2000年から2006年までの間は、平均79回のキャッチ、968ヤード、6.5タッチダウンを記録し、毎年プロボウルに選ばれるなど、リーグを代表するタイトエンドとしての地位を確立しました。2004年には、タイトエンドとしてのNFL記録となる102回のキャッチで1,258ヤードを獲得し、7タッチダウンを記録しました。

2007年には、タイトエンドとしてのレシーブ獲得ヤードで歴代2位となり、通算レシーブ回数でNFL記録を更新。2008年には、通算レシーブヤードでもNFL記録を更新し、10回目のプロボウルに選出されました。

2009年にはアトランタ・ファルコンズに移籍し、2010年にはNFL史上7人目、タイトエンドとしては初の1,000レシーブを達成。2011年には、タイトエンドとしてのNFL最多出場試合数を更新しました。

2012年には、ニューオーリンズ・セインツ戦でタイトエンドとしては初の100TDレシーブを達成。2013年には、プレーオフで初の勝利を経験しましたが、スーパーボウル出場は叶わず、シーズン終了後に現役を引退しました。

記録と人物

ゴンザレスは、カンザスシティ・チーフスで数々の記録を保持している他、NFL記録として、タイトエンドとしての通算レシーブ獲得ヤード（15,127ヤード）、通算レシーブ回数（1,325回）、通算レシーブタッチダウン（111回）などの記録を保持しています。

多彩なルートランニングによるレシーブ能力に加え、ブロッカーとしても活躍し、チームに貢献しました。私生活では、ニュースレポーターのローレン・サンチェスとの間に息子がおり、別の女性との間に娘がいます。2008年アメリカ合衆国大統領選挙では、バラク・オバマを支持しました。

トニー・ゴンザレスは、その卓越した才能と努力で、NFL史に名を刻む偉大なタイトエンドとして、多くのファンに記憶されています。

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