トニー・デマルコ

トニー・デマルコ

トニー・デマルコ（Tony DeMarco、本名：レオナルド・リオッタ）は、1932年1月14日にアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンで生まれたプロボクサーです。世界ウェルター級の元チャンピオンとして知られ、そのパワフルなファイトスタイルで多くのファンを魅了しました。彼の生涯は2021年10月11日に幕を閉じましたが、ボクシング史にその名を刻んでいます。

キャリアの軌跡

幼い頃からボクシングに親しみ、わずか11歳にしてその道に進みました。プロデビューは1948年10月21日、16歳の時でした。若い頃から将来を期待される存在として、着実にキャリアを積み重ねていきます。

彼のキャリアにおける最大のハイライトは、1955年4月1日にもたらされました。ジョニー・サクストンとの世界ウェルター級タイトルマッチに挑み、14回に鮮やかなKO勝利を収め、ついに世界の頂点に立ちました。地元ボストンでの王座奪取は、多くの人々に感動を与えました。

しかし、栄光は長く続きませんでした。同年6月10日、同じく攻撃的なスタイルを持つ猛ファイター、カーメン・バシリオを挑戦者に迎えます。この試合は、デマルコが体調が万全ではない中で臨んだものでした。両者一歩も引かない激しい打ち合いの末、12回KOで敗れ、わずか2ヶ月余りで世界王座から陥落することとなります。

ベルトを失ったデマルコは、捲土重来を期し、同年11月30日に再びバシリオとの対戦を実現させます。王座返り咲きをかけたこの再戦は、前戦を上回るほどの壮絶な打撃戦となりました。デマルコは持ち前の強打、特に左フックでバシリオをグロッギーに追い詰める場面もありましたが、不死身とも思えるバシリオの猛烈な反撃に遭います。激しい攻防の末、12回に集中打を浴びて再びKO負けを喫し、王座奪還は叶いませんでした。バシリオとの二度にわたる激闘は、ボクシング史に残る名勝負として語り継がれています。

戦績

トニー・デマルコのプロキャリアを通じた公式戦績は、58勝（うち33KO）12敗1引分けです。KO率の高さは、彼の攻撃的なスタイルとパンチ力の強さを物語っています。ウェルター級のトップ戦線で長く活躍し、多くの強敵と拳を交えました。特にバシリオとのライバル関係は、彼のキャリアを語る上で欠かせない要素となっています。

デマルコは引退後もボクシング界との関わりを持ち続け、その功績は多くのボクシングファンや関係者によって称えられています。ボストンが生んだ不屈のファイターとして、彼の名前は今後も語り継がれていくでしょう。

• ---

もう一度検索