トニー・ブラクストン

トニ・ブラクストン：R&B界の歌姫、その輝かしい軌跡

トニ・ミシェル・ブラクストン（Toni Michelle Braxton）は、1967年10月7日、アメリカ合衆国メリーランド州で生まれました。彼女は、その深みのあるセクシーなアルトヴォイスで、1990年代を中心に数々の大ヒット曲を世に送り出したR&B歌手であり、女優としても活躍しています。

音楽の才能が開花するまで

牧師である父親と、アマチュアのオペラ歌手であった母親のもと、6人姉弟の長女として育ちました。幼い頃から教会で歌声を披露し、その才能を開花させました。1989年、コンテストに出場し、そこで出会ったプロデューサーの計らいで、同じメリーランド州出身のグループ、スター・ポイント（Starpoint）のメンバーであるアーネスト・フィリップス（Ernesto Phillips）に紹介されます。アーネストはトニの妹たちの才能も見抜き、1990年にトニ、トワンダ、トリーナ、テイマー、トレイシーの5人姉妹でグループ、ザ・ブラクストンズ（The Braxtons）を結成し、シングル「The Good Life」でデビューを果たします。

ソロとしての成功

その後、音楽プロデューサーのベイビーフェイス（Babyface）の目に留まったトニは、LaFace Recordsのファーストレディとして、ベイビーフェイスとのデュエットシングル「Give U My Heart」で映画「ブーメラン」のサウンドトラックに参加し、ソロデビューを果たします。1993年には、ファースト・アルバム「Toni Braxton」をリリースし、ソロ歌手としての地位を確立しました。

ザ・ブラクストンズは、トニの脱退後、1996年にアルバム「So Many Ways」をリリースしましたが、その後自然解散。妹のテイマー・ブラクストン（Tamar Braxton）がソロデビューを果たしています。

輝かしい実績と苦難

トニの主なヒット曲には、「Un-Break My Heart」（全米11週連続1位）、「You're Makin' Me High」（全米1位）、「He Wasn't Man Enough」（全米2位）、「Breathe Again」（全米3位）などがあります。しかし、数々のヒット曲を出す一方で、サード・アルバム「The Heat」のリリース前に自己破産を経験し、LaFace Recordsとの間でトラブルが発生するなど、苦難も経験しました。

結婚、離婚、そして病との闘い

2001年4月、トニはミント・コンディション（Mint Condition）のキーボード担当、ケリ・ルイス（Keri Lewis）と結婚。2013年7月に離婚しました。

2007年には胸に違和感を覚え、病院で診察を受けた結果、乳ガンではないと診断されました。しかし、2008年3月に胸に腫瘍を発見。医師の許可を得てタレント活動を続けましたが、10月に活動を制限され、「Dancing with Stars」への出演を取りやめ、11月に手術で胸の腫瘍を取り除きました。腫瘍は良性であり、手術後、「私はとても幸運だった。人種や主義、肌の色に関係なく、誰もがガンになる危険にさらされている」とコメントしました。

ラスベガスでの長期公演

2006年、ラスベガスのフラミンゴ・[[ラスベガス]]にて、ウェイン・ニュートン公演と入れ替わる形で、トニの長期公演「Toni Braxton: Revealed」がスタートしました。当初は2007年3月まで週6夜の予定でしたが、後に8月まで延長されました。この公演は、アフリカ系アメリカ人パフォーマーが主演するショーとして、初の「ラスベガスショーチャートのトップ10入り」を達成しました。2008年8月までの再延長が予定されていましたが、同年4月にトニが胸の痛みを訴え入院し、途中休演。5月には療養専念のために期間途中での終了が発表されました。

トニ・ブラクストンは、その才能と努力で数々の成功を収めましたが、同時に苦難も経験しました。しかし、彼女は常に前向きな姿勢を崩さず、音楽活動を続けています。彼女の歌声は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

もう一度検索