トマス・クッシング

トマス・クッシング3世

トマス・クッシング3世は、1725年3月24日にボストンで生まれ、1788年2月28日に逝去した、アメリカの弁護士であり政治家です。彼は、マサチューセッツ州のボストン出身で、1774年から1776年にかけて、大陸会議の代議員として活動しました。また、1780年から1788年まで、マサチューセッツ邦の初代副知事としての役割を果たしました。彼は1785年にジョン・ハンコックの辞任後、知事代行としても知られています。

生い立ちと教育

クッシングは、ボストンの裕福な商人家庭に生まれ、クッシング家は1628年にイギリスのノーフォークからアメリカに移民してきました。不幸にも彼の父トマス・クッシングは、当時地域の指導者で、オールドサウスチャーチにも属していました。彼は議会議員としても知られ、地域社会に多大な貢献をしました。母のメアリー・ブロムフィールドも影響力のある家系に生まれました。

教育は、ボストン・ラテン・スクールで受け、続いてハーバード大学で学び、1744年に卒業しました。法律の道を進んだ彼は、弁護士として名を馳せていきます。1747年にはデボラ・フレッチャーと結婚し、家庭を持ちました。その後、父親の事務所での経験を生かしながら、ボストンで法律実務を始めました。

政治活動

クッシングは1766年に植民地議会の議員に選出され、議長に就任しました。ここでは、政治的な対立があったにもかかわらず、彼の名声と影響力が評価されることとなりました。しかし、彼は長い間アメリカ独立に反対していました。1772年には、植民地議会内の「通信委員会」の委員に指名されますが、彼はこの役職を辞退しました。

彼は1774年の第一次大陸会議や1775年の第二次大陸会議の際にも代表に選ばれましたが、依然として革命に対して慎重な態度を崩しませんでした。そのため、1775年には逮捕される危機を迎えましたが、トマス・ゲイジ総督に捕まることはありませんでした。革命政府が誕生した際、彼は評議会員として選ばれます。

1776年に入ると、彼の独立への反対は続き、特に1月には選挙で1票も獲得できませんでした。しかし、その後徐々に立場を変え、最終的には独立戦争を支持するようになり、マサチューセッツ州の兵站総監を務めることになりました。

副知事としての活動

クッシングは、1779年の大陸会議には再選を辞退しましたが、1780年にはマサチューセッツ邦の副知事として選出され、1788年までその職に留まり続けました。彼はまた、アメリカ合衆国憲法を批准するためのマサチューセッツ批准会議にも出席しています。彼の政治的キャリアは、アメリカの歴史の中で重要な役割を果たしました。

トマス・クッシング3世は1788年に亡くなり、彼の墓はボストンのグラナリー墓地にあります。彼の経歴は、アメリカ独立運動の中での複雑な政治的判断を象徴すると共に、時代の変遷を反映したものと言えるでしょう。

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