トマス・モンタキュート (第4代ソールズベリー伯)

第4代ソールズベリー伯トマス・モンタキュート

第4代ソールズベリー伯トマス・モンタキュート（1388年 - 1428年）は、中世イングランドの貴族であり、百年戦争における主要な司令官の一人として知られています。

生涯

トマスは第3代ソールズベリー伯ジョン・モンタキュートの息子として生まれましたが、父がリチャード2世の復位計画に関与し処刑されたため、モンタキュート家の所領は没収されました。その後、トマスは所領の一部を回復し、エレノア・ホランドとの結婚を通じて財政的な支援を得ました。

1409年、ソールズベリー伯としてイングランド議会に召集され、1413年にはヘンリー5世の側近となります。1414年にはガーター騎士団の一員となり、1415年にはケンブリッジ伯リチャード・オブ・コニスバラを反逆罪で裁く貴族の一人となりました。

フランス戦線では、ヘンリー5世に合流し、アルフルール包囲戦やアジャンクールの戦いに参加。1419年にはノルマンディーの陸将に任じられ、ボージェの戦い（1421年）、クラヴァンの戦い（1423年）、ヴェルヌイユの戦い（1424年）など、数々の激戦で部隊を率いました。しかし、1427年のモンタルジ包囲戦ではフランス軍に敗北しています。

1428年、ソールズベリー伯は対フランス戦を主導していたベッドフォード公ジョン・オブ・ランカスターの方針に反発し、ロワール川流域への南下作戦を強行しました。オルレアン包囲戦の直前には周辺都市を制圧しましたが、オルレアンを偵察中に砲弾を受け重傷を負い、1428年11月3日に死亡。彼の死後、サフォーク伯ウィリアム・ド・ラ・ポールらが後任となりましたが、戦局は膠着状態に陥りました。

ソールズベリー伯の爵位は、娘アリスの夫であるリチャード・ネヴィルが継承しました。

家族

トマスは2度結婚しています。最初の妻は第2代ケント伯トマス・ホランドの娘エレノア・ホランドで、彼女との間に娘アリスをもうけました。アリスはリチャード・ネヴィルと結婚しました。

2番目の妻はジェフリー・チョーサーの孫娘アリス・チョーサーで、彼女との間には子供はいませんでした。ソールズベリー伯の死後、未亡人となったアリスはサフォーク伯ウィリアム・ド・ラ・ポールと再婚しました。

参考文献

堀越孝一『ジャンヌ=ダルクの百年戦争』清水書院、1984年。
レジーヌ＝ペルヌー、マリ＝ヴェロニック・クラン著、福本直之訳『ジャンヌ・ダルク』東京書籍、1992年。
* 清水正晴『ジャンヌ・ダルクとその時代』現代書館、1994年。

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