トマス・ロビンソン (第2代グランサム男爵)

第2代グランサム男爵、トマス・ロビンソン（1738年11月30日 - 1786年7月20日）は、イギリスの政治家、外交官、そして貴族でした。彼の生涯は、ヨーロッパの政治情勢が大きく変動する時代と重なり、その中で彼は重要な役割を果たしました。また、首相を務めた初代ゴドリッチ子爵フレデリック・ジョン・ロビンソンは彼の息子です。

生い立ちと教育

1738年、トマス・ロビンソンは駐ウィーン公使であった初代グランサム男爵トマス・ロビンソンとその妻フランセス（旧姓ウォーズリー）の長男として、オーストリアの首都ウィーンで生まれました。幼少期から国際的な環境に身を置いていたことが、後の外交官としてのキャリアに影響を与えたと考えられます。

彼はウェストミンスター・スクールで学び、その後ケンブリッジ大学クライスツ・カレッジに進学し、学問を修めました。

政治家としてのキャリア

1761年から1770年にかけて、トマス・ロビンソンはクライストチャーチ選挙区から選出され、庶民院議員を務めました。この期間に彼は政治家としての基礎を築き、様々な政治課題に取り組みました。1770年に父の死によりグランサム男爵位を継承し、貴族院へ移籍しました。

その後、1770年から1771年にかけて副宮内長官、1771年から1779年にかけては駐スペイン大使を歴任しました。スペイン大使としては、イギリスとスペインの関係維持・改善に尽力し、外交手腕を発揮しました。

1780年から1782年には第一商務卿として商業政策を担当し、1782年から1783年には外務大臣として外交政策の舵取りを行いました。外務大臣としては、当時の国際情勢に対応しながら、イギリスの国益を守るために奔走しました。

家族

1780年、第2代ハードウィック伯爵フィリップ・ヨークの娘メアリー・ヨークと結婚し、彼女との間に二人の息子をもうけました。

長男：トマス・フィリップ・ロビンソン（1781-1859） - 第3代グランサム男爵、第2代ド・グレイ伯爵。アイルランド総督などを務めました。
次男：フレデリック・ジョン・ロビンソン（1782-1859） - 初代リポン伯爵、初代ゴドリッチ子爵。首相などを務めました。

死去

1786年7月20日、トマス・ロビンソンはロンドンのパットニーにあるグランサム・ハウスで亡くなりました。彼の死後、グランサム男爵位は長男のトマス・フィリップ・ロビンソンが継承しました。

トマス・ロビンソンの生涯は、政治家、外交官として多岐にわたる分野で活躍したものでした。彼の業績は、18世紀のイギリス政治史において重要な位置を占めています。

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