トマティーヨ

トマティーヨの概要

トマティーヨ（英: Tomatillo）は、ナス科に属する植物で、特有の薄い殻に包まれた緑または紫がかった丸い果実が特徴です。その学名はPhysalis philadelphicaで、別名としてPhysalis ixocarpa Brotもあります。日本ではオオブドウホオズキとも呼ばれていますが、この果実はトマトとは異なり、同じナス科の植物で分類されています。

メキシコではトマティーヨは「トマテ・ベルデ」として知られ、メキシコ料理には欠かせない食材の一つです。特に、新鮮な緑の果実は多くのグリーンソースの主成分となり、その独特の酸味は料理に新しい風味を与えます。トマティーヨは西半球の幅広い地域で栽培されており、特にラテンアメリカの料理においてその重要性が際立っています。

トマティーヨの成長と保存

トマティーヨの果実は、萼の形成によって薄い殻に包まれています。果実が熟すにつれて、殻が膨らみ、最終的には割れて収穫されます。熟すと、殻は茶色になり、果実の色は緑、黄色、赤、または紫とさまざまです。品質を見極める基準としては、殻が新鮮であること、果実が堅く明るい緑をしていることが重要です。果実の酸味と鮮やかな緑色がトマティーヨの特長です。

ただし、注意が必要なのは、トマティーヨの他の部分は食用ではなく、毒性があることです。また、トマティーヨは自家不和合性を持つため、受粉には2つ以上の個体が必要であり、一つの植物にだけ果実が実ることは稀です。

熟した新鮮なトマティーヨは冷蔵庫で約2週間保存可能で、殻を取り除いた果実を密閉した保存袋に入れることで、さらに長持ちさせることができます。丸ごとまたはスライスした状態で冷凍保存も可能で、これにより季節を問わず利用できます。

トマティーヨの呼び名

トマティーヨは、英語では「ハスクトマト（husk tomato）」、または「ハスクチェリー（husk cherry）」とも呼ばれ、これらの名称は他のホオズキ属の果実を示すこともあります。スペイン語では「tomate de cáscara」や「tomate verde」といった名前で親しまれており、特に「tomate verde」は緑のトマトを意味します。ただし、熟していない緑のトマトとは異なるため、注意が必要です。さらにアッサム語では「pokmou」と表現されることもあります。

トマティーヨは、独自の風味と魅力を持ちながら、利用の幅も広い果実です。その独特の姿と味わいから、多くの料理に取り入れられ、メキシコ料理には欠かせない存在となっています。

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