アッサム語

アッサム語（অসমীয়া, Asamiya）は、インド北東部のアッサム州を主な使用地域とする言語です。インドの憲法で定められた22の指定言語の一つであり、アッサム州の公用語としての役割を担っています。アッサム州以外にも、アルナーチャル・プラデーシュ州などインド北東部の一部地域、さらにはブータンやバングラデシュにも話者が分布しており、その総数は約2000万人に上ります。この言語は、インド・ヨーロッパ語族に属し、その分布の東端に位置するという特徴を持っています。

表記

アッサム語の表記には、ナーガリー文字を起源とするアッサム文字が用いられます。この文字は、古語の発音を基準とした正書法を採用しており、歴史的な発音を色濃く残している点が特徴です。

発音

アッサム語の発音には、以下のような特徴があります。

サンスクリット語やヒンディー語に存在するそり舌音が存在しません。
無声軟口蓋摩擦音（[x]）が用いられます。

母音は、以下の通りです。

短母音：a, i, u
長母音：aa, ii, uu
その他：e, o, oi, ou, r

子音は、以下の通りです。

無声無気音：p, t, k
有声無気音：b, d, g
無声有気音：ph, th, kh
有声有気音：bh, dh, gh
摩擦音：s, z, x[x]
破擦音：c[tʃ], j[dʒ], jh（jの有気音）
鼻音：m, n, ng[ŋ], ni[ɲ]
その他：r, l, h, w, y[j]

文法

アッサム語の文法は、同じインド・ヨーロッパ語族のベンガル語と類似点が多く、以下のような特徴があります。

名詞に性別による区別がありません。
助数詞を使用します。

方言と共通語

19世紀中頃には、キリスト教団（アメリカ北部バプテスト）の活動拠点であったシブサガルの方言が主に用いられ、出版物もこの方言で刊行されていました。しかし、現在では州都であるグワーハーティーの方言が共通語の基盤となっています。

外部リンク

Ethnologue report for language code asm (英語) - エスノローグによるアッサム語の解説記事

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