トマホーク (将棋)

トマホーク：居飛車穴熊対策の斬新な三間飛車戦法

トマホークは、将棋における独特の戦法として知られています。その特徴は、三間飛車の戦型に属し、5筋の歩を突かない堅固な居飛車穴熊を相手に有効である点にあります。

戦法の骨子

この戦法では、三間飛車側は自陣の駒組みを工夫し、敵陣の弱点を探りながら攻勢に出ます。具体的な手順としては、角筋から敵玉を睨みつけるように駒を進め、端桂や玉頭銀といった攻めの駒を積極的に繰り出していきます。相手の堅い守りを崩すため、端攻めや様々な攻め方を組み合わせ、相手の隙を突いて勝利を目指します。

考案者と発展

トマホークの考案者として、アマチュア棋士のタップダイス氏の名が挙げられることがしばしばあります。しかし、タップダイス氏自身は、プロ棋戦における四間飛車で用いられた端桂・玉頭銀を用いた戦法の構想を応用したものであると説明しています。つまり、既存の戦法を土台に、新たな工夫を加えることで生まれた戦法と言えるでしょう。

実戦における効果

トマホークは、理論上だけでなく、実戦でもその効果を発揮しています。特に注目すべきは、2016年6月4日に行われた第59回三段リーグ8回戦で、山本博志三段が藤井聡太三段を相手にこの戦法を用いて勝利を収めたことです。この対局は、トマホークの有効性を示す重要な実例として、将棋界に大きなインパクトを与えました。この試合は、トマホークの潜在能力の高さを示すだけでなく、プロ棋士が新たな戦法を積極的に研究し、実戦で活用しようとする姿勢を示すものとなりました。

関連書籍

トマホークに関する詳しい解説は、以下の書籍に掲載されています。

タップダイス、信玄m@ster(監修)『アブノーマル三間飛車』（Kindle）（4版）TOKIDA、2014年7月17日
タップダイス『続アブノーマル三間飛車』（Kindle）（3版）TOKIDA、2014年10月6日
タップダイス、信玄m@ster『トマホーク解体新書』（Kindle）（2版）TOKIDA、2017年3月24日
山本博志「第4章 ☖5筋不突き穴熊対☗トマホーク戦法」『三間飛車新時代』マイナビ出版、2017年10月17日

これらの書籍は、トマホーク戦法の詳細な解説や、実戦例、そして発展形などを網羅しており、この戦法を深く理解したいと考えている棋士にとって貴重な資料となるでしょう。

まとめ

トマホークは、5筋歩を突かない居飛車穴熊に対して有効な、攻撃的な三間飛車戦法です。その斬新な発想と実戦での成功例から、将棋界に新たな風を吹き込んだと言えるでしょう。アマチュア棋士による考案という点も、将棋界における戦法開発の裾野の広さを示す一つの例と言えるでしょう。今後も、この戦法の発展や、新たな応用例が注目されます。

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