トマホーク武器システム

トマホーク武器システム （Tomahawk Weapon System）

トマホーク武器システム（TWS）は、アメリカ海軍が開発した艦対地巡航ミサイルシステムであり、長距離から精密攻撃を行う能力を備えています。本システムは、トマホークミサイル本体、射撃指揮システム、そして作戦を支えるC4ISRシステムで成り立っており、これにより陸上目標に対しても高い精度で攻撃が可能となっています。

概要

TWSは、アメリカ海軍の水上艦や潜水艦に搭載され、特に高付加価値資産（HVU）の護衛から攻撃能力の拡充へと役割をシフトさせました。これにより、攻撃的な運用ができるようになり、潜水艦はその攻撃範囲を陸上まで広げることが可能になりました。

このシステムの核心をなすのがトマホーク巡航ミサイルです。これにより、艦上にいる指揮官は、他の部隊との連携なしで独自に精密な攻撃を実施することができるのです。TWSの適用範囲は広いものの、攻撃できる火力には限りがあり、特に高速で移動する小規模な目標に対しては適していないという欠点も存在します。しかし、人的被害を避けつつ効果的な攻撃ができるため、非対称戦争において頻繁に用いられています。

システム構成

TWSは、以下の5つのサブシステムから構成されています。

1. 戦域任務計画センター（TMPC）
大西洋艦隊や太平洋艦隊の支援部隊に所属し、上級部隊から陸上攻撃計画を受け受任します。具体的には、デジタル映像ワークステーション（DIWS）、TLAM計画システム、任務頒布システム、精密照準ワークステーションで構成されています。

2. 洋上計画システム（APS）
トマホーク搭載艦に配置され、攻撃計画を内部で策定する簡易版のTMPCです。このシステムは高レベルの偵察情報をもとに戦略を立てることが可能です。

3. トマホーク武器管制システム（TWCS）
目標データを処理し、射撃諸元の算出を行うシステムです。艦上のMk.37またはMk.36に装備され、動的な攻撃作戦を支えます。

4. ミサイル発射機
トマホークミサイルを発射するためのシステムで、水上艦ではMk.143 ABLまたはMk.41 VLS、潜水艦では魚雷発射管やMk.45 VLSが使われます。

5. RGM/UGM-109 トマホーク
実際のミサイル本体であり、各種ミサイル発射装置から発射されます。このミサイルは、高度な誘導能力を備えており、精密な攻撃が可能です。

まとめ

トマホーク武器システムは、アメリカ海軍にとって非常に重要な攻撃能力を持っており、その精密な作戦実行能力は、様々な状況下での介入手段として特に効果を発揮しています。水上艦と潜水艦の協力により、リモートから安全に攻撃を実施できる本システムは、現代戦における重要な資産と言えるでしょう。

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