トミカ未来緊急隊アースコマンダー

「トミカ未来緊急隊アースコマンダー」は、玩具メーカーのタカラトミー（旧トミー）が、1990年から1994年にかけて展開したトミカを基盤とする情景玩具シリーズです。

シリーズ概要

本シリーズは、前年（1989年）に発売された大型情景部品「未来緊急基地」を基礎として企画され、1994年まで多岐にわたる商品が展開されました。

登場する車両は、このシリーズのために用意された金や銀のメッキ塗装が施された特別仕様のトミカが中心でした。さらに、1991年には「コマンドビークルダブルアーマーシリーズ」が登場。

コマンドビークルダブルアーマーシリーズは、市販のトミカに専用の武装パーツを取り付けることで、戦闘車両へと変形させるアイテムでした。特に特筆すべき点として、1992年発売分の一部には、同業他社であるマッチボックス製品をベースとした車両が含まれていました。これは、トミカブランドにおいて、他社の製品をベースとした車両を正規ラインナップに加えた極めて稀なケースとして知られています。

物語の舞台は近未来の地球。小学生によって組織された未来緊急隊「アースコマンダー」が、地球征服を目論む悪の組織「グローゲル」に立ち向かうという内容です。この世界観を補完するため、一部の情景部品の付録としてオリジナルビデオアニメ（OVA）が制作・添付されました。シリーズ後半には、車両からロボットへと変形する大型アイテムも登場し、遊びの幅を広げました。

登場人物（OVA版キャスト）

OVA版に登場する未来緊急隊のメンバーとその声優は以下の通りです。

タカシ（声：松岡洋子）
アキ（声：原えり子）
ガックン（声：丸尾知子）
ミキ（声：鷹森淑乃）
ライム（声：龍田直樹）

主なアイテム

シリーズでは、特別なトミカセットや様々な機能を持つ基地などが展開されました。

トミカ未来緊急隊アースコマンダーシリーズ

ES-01 ハイパーコマンドビークル：三菱パジェロ、スカイライン・ターボC、フェラーリ・テスタロッサを含むセット。
ES-02 パトロールコマンドビークル：ハイエース救急車、セドリックパトロールカー、ポルシェ・959パトロールカーを含むセット。
ES-03 レスキューコマンドビークル：キャンターレッカー車、日産ディーゼルポンプ車、テレックスローダーを含むセット。
未来緊急隊セット：ハイエース救急車、セドリックパトロールカー、ランボルギーニ・カウンタックLP500S、ポルシェ・959を含むセット。

基地・大型メカ

トミカ未来緊急基地：巨大な救急車形態から移動司令基地に変形。エアーシャトルとの合体が可能でした。後に外観が改修され、「緊急レッドレスキュー」として別ブランドの消防車型基地に流用されました。
エアーシャトル：スペースシャトルの外観を持ちながら基地に変形。ランドレスキューと合体することで「スーパーコマンドベース」となります。
ランドレスキュー：救急車の外観を持ちながら基地に変形。エアーシャトルと合体することで「スーパーコマンドベース」となります。
ミッドスカイ：スペースシャトル形態から移動基地に変形します。
ロボチャージャー：ビークル形態からロボット形態に変形可能な大型メカ。コマンドビークルを4台収納できます。

コマンドビークルW-Aシリーズ

通常のトミカをベースに、武装カウルで強化変形するシリーズです。

アースファイアー：ベース車両は日産ディーゼルはしご付き消防車。
アースアタッカー：ベース車両はハイエース救急車。
アースサンダー：ベース車両はランボルギーニ・チータ。
アースブラスター：ベース車両はフェラーリ・テスタロッサ。
アースドーザー：ベース車両はメルセデスベンツ・ウニモグ（除雪車仕様）。
アーストレイサー：ベース車両はフォード・スーパーバン。
アースレッカー：ベース車両はピータービルトレッカー。
アースクライスパー：ベース車両はホールデントラック。

このように、「トミカ未来緊急隊アースコマンダー」シリーズは、トミカの遊びを発展させた独自の情景世界と物語性、そして変形・合体といったギミックを盛り込んだ、当時のタカラトミーを代表するシリーズの一つでした。

もう一度検索