トミー・ケインリー

トミー・ケインリー（Tommy Kahnle）

トミー・ケインリーは、1989年8月7日生まれのアメリカ合衆国ニューヨーク州オールバニ郡レイサム出身のプロ野球選手で、現在はニューヨーク・ヤンキースに所属しています。彼は右投右打の投手で、愛称は「ザ・カーン」として親しまれています。彼のキャリアは多岐にわたる移籍や成長を経ており、その道程を以下に詳しく見ていきます。

経歴

ケインリーは2010年のMLBドラフトでニューヨーク・ヤンキースから5巡目（全体175位）で指名を受け、プロの世界に足を踏み入れました。デビューは傘下のA-級スタテンアイランド・ヤンキースで、11試合に登板して3セーブ、防御率0.56という素晴らしい成績を収めました。翌年もA級チャールストン・リバードッグスで40試合に投げ、成績を残し続けました。

2012年にはA+級タンパ・ヤンキースでプレーし、のちにはAA級トレントン・サンダーへも昇格。その後、彼のキャリアは大きな転機を迎えます。2013年に行われたルール・ファイブ・ドラフトでコロラド・ロッキーズに指名され、メジャーリーグデビューを果たします。初のメジャー登板は2014年4月3日、マイアミ・マーリンズ戦でした。彼はこのシーズン、54試合に登板し、2勝1敗、防御率4.19の成績を記録しました。

次のシーズンの2015年はマイナーリーグでの挑戦を経て、様々な苦労を経験しました。特に8月には防御率が急激に悪化し、AAA級アルバカーキに降格。しかしながら、プレーの枠に戻る機会を得て、成長の足掛かりとしました。

その後、2015年11月24日にはシカゴ・ホワイトソックスに移籍し、自己ベストの防御率2.63を記録します。2017年には再びヤンキースにトレードされ、チームでの存在感を示しました。この年は防御率2.59、69試合に登板を果たし、三振の奪取率も自己最高の数値に達しました。

2018年以降は怪我に悩まされ、2020年にはトミー・ジョン手術を受けたことも影響し、シーズンを全休した後、オフにFAとして新天地を探すことになります。2020年12月にはロサンゼルス・ドジャースと2年契約を結びますが、出場機会には恵まれませんでした。2022年には古巣ヤンキースに帰還し、新たな契約を結びました。

選手としての特徴

ケインリーは、オーバースローから投げる右投手で、そのスタイルは非常にダイナミックです。彼のフォーシームは最速で100.6mph（約162km/h）に達し、平均98mph（約158km/h）で投球します。また、決め球となるチェンジアップとスライダーも巧みに操り、相手打者を翻弄します。特にスタッツを見ると、通算の被wOBAが左打者に対しては.283、右打者には.294と、右投手でありながら効果的に左打者を抑え込んでいます。

今後の活躍が期待されるケインリーのプレーには、プロ野球界の注目が集まっています。やはり彼の経験や成長の軌跡は多くの若手選手にとっても模範となることでしょう。

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