トムとジェリー ヒゲヒゲだいせんそう

トムとジェリー ヒゲヒゲだいせんそう：ドタバタバトルの進化系

2004年、サクセスよりPlayStation 2向けに発売された『トムとジェリー ヒゲヒゲだいせんそう』は、前作NINTENDO64版『Tom and Jerry in Fists of Furry』（日本未発売）の続編に当たる3D対戦アクションゲームです。前作をベースにパワーアップしたグラフィック、ゲームシステム、そしてより激しさを増したバトルが特徴です。

原作を踏襲しつつ進化したゲーム性

プレイヤーはトムまたはジェリーとなり、3Dで描かれた多彩なステージを駆け巡り、椅子などのオブジェクトを投げて相手を攻撃します。NINTENDO64版から引き継がれたゲージ制の体力システムに加え、キャラクターが直接攻撃を受けた際の吹き飛びも大幅に強化され、よりダイナミックなアクションが楽しめます。暴力表現のレベルも向上しており、前作よりも激しいバトルが展開されます。

ステージデザインは、原作アニメでおなじみの「氷あそび」など、懐かしさを感じさせるものも多数収録。しかし、ギミックの複雑さや変化の多さは前作を凌駕しており、プレイヤーの戦略性を試す、より挑戦的なステージ構成となっています。BGMも全体を通してテンポが速く、激しいバトルを盛り上げます。

個性豊かなキャラクターたち

本作には、トムとジェリーを始め、スパイク（ゲーム内では「ブルさん」）、タイク、ニブルス、ブッチ、アヒルの子（「アヒルちゃん」）など、おなじみのキャラクターが多数登場します。さらに、ワシ（「イーグル」）、ライオン、スタミナジェリー（「モンスタージェリー」）、ロボット猫（「ネコがたロボ」）といった、原作アニメの様々な作品から新規キャラクターも参戦。それぞれ個性的なアクションでバトルを彩ります。キャラクターデザインはウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ作品を多く採用しつつ、チャック・ジョーンズ作品からのキャラクターも含まれている点が特徴的です。

地域によるレーティングの違い

興味深い点として、本作はアメリカで「T」（13歳以上対象）のレーティングを受けています。これは前作のNINTENDO64版が全年齢対象だったことと対照的で、暴力表現の強化がレーティングに影響を与えた可能性が考えられます。アメリカでは、ゲームキューブ版とXbox版も発売されていますが、日本市場ではPlayStation 2版のみのリリースとなりました。

まとめ

『トムとジェリー ヒゲヒゲだいせんそう』は、原作アニメの世界観を3Dアクションゲームとして見事に再現した作品です。前作のシステムを進化させ、より激しいバトルと多彩なギミックでプレイヤーを魅了します。個性豊かなキャラクターたちと、原作を彷彿とさせるステージで繰り広げられるドタバタ劇は、トムとジェリーファンはもちろん、アクションゲーム好きにもおすすめです。ただし、暴力表現のレベルアップに注意が必要です。

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