トムのガールフレンド

トムとジェリー：大騒動のパーティ！『トムのガールフレンド』詳細解説

1945年5月5日に公開された、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ監督によるトムとジェリーの名作『トムのガールフレンド』(原題:The Mouse Comes to Dinner)は、パーティを舞台にしたドタバタコメディです。メトロ・ゴールドウィン・メイヤー・カートゥーン・スタジオ制作、テクニカラーによる鮮やかな色彩で描かれた本作は、多くのファンを魅了し続けています。

物語の概要

物語は、大勢のお客様を迎えるパーティの準備から始まります。お手伝いさんがテーブルに料理を並べる中、トムとジェリーは忍び寄り、ご馳走に目を輝かせます。ジェリーは我先にと食べ始めますが、トムはそこにガールフレンドであるトゥードルを招き、食事を楽しむ計画を立てます。

トゥードルが到着すると、トムはジェリーを召使いのように扱い、料理を運ばせようとしますが、ジェリーは反発。トムにスープをかけたり、尻尾をご馳走に見立てて食べさせたりと、いたずら攻撃を開始します。トムはトゥードルに近付こうとしますが、トゥードルはトムのダサい仕草を嫌がり、肘鉄砲で拒絶。ジェリーはそれを嘲笑します。

トムは怒り狂い、ジェリーを更にこき使いますが、それがきっかけで、トゥードゥルをも巻き込んだ壮絶なパイ投げ合戦へと発展。ジェリーは巧みにパイをかわし、トムとトゥードゥルに次々とパイを投げつけます。

騒動は収まらず、ジェリーはトムの尻尾に火をつけます。気が付いたトムは慌てて氷水で消火しようとしますが、ジェリーが水をアルコールランプにすり替えるという、更に悪質ないたずら。焦げ臭い匂いを嗅ぎつけたトゥードゥルはトムを責め、トムは自分が丸焦げになった尻尾を見て悲鳴を上げます。

そして、クライマックス。ジェリーはトムをローストターキーに見立て、”S.S.DRIP”（アホ号、もしくは潜水艦マヌケ号）と名付け、シャンパンを浴びせ、パンチボウルに沈めてしまうのです。

スタッフとキャラクター

本作は、ハンナとバーベラの黄金コンビによる監督、脚本に加え、ケネス・ミューズ、ピーター・バーネス、レイ・パターソン、アーヴン・スペンスといった実力派アニメーターが原画を担当。音楽はスコット・ブラッドリーが担当し、作品全体に洗練された雰囲気を与えています。

キャラクターでは、トムとジェリーに加え、トムの恋人である上品だが、時に大胆な行動を見せるトゥードゥルも重要な役割を果たしています。その他、パーティの準備をするお手伝いさんなども登場し、物語に彩りを添えています。

再公開と現在

本作は1952年に再公開され、オープニングとエンディング、レオ・ザ・ライオンのシーンが変更されましたが、作品内容はそのまま残されています。現在、テレビで放映されているのは、多くの場合この再公開版です。劇場公開版と再公開版の違いを比較してみるのも面白いでしょう。

まとめ

『トムのガールフレンド』は、テンポの良い展開と予測不能な展開、そして緻密なアニメーションが魅力のトムとジェリー作品です。パーティという華やかな舞台と、トムとジェリー、そしてトゥードゥルの掛け合いが見事に融合し、何度観ても飽きない、まさに傑作と呼ぶにふさわしい作品と言えるでしょう。 軽妙洒脱なユーモアと、予測不能な展開、そしてキャラクターたちの魅力が詰まった本作は、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

もう一度検索