トムタラカニ公

トムタラカニ公（トムトロカン公）は、タマン半島に成立したトムタラカニ公国の君主の称号です。この称号における「公」は、クニャージ（ князь ）という語からの翻訳に由来します。公および公国の名は、その中心都市であったトムタラカニ（トムトロカン）にちなんで名付けられました。

トムタラカニ公国は、現在のロシア南部に位置するタマン半島を拠点としていました。この地域は、古代から様々な民族や勢力が交錯する場所であり、トムタラカニ公国もまた、その歴史の中で様々な影響を受けました。

以下に、トムタラカニ公の一覧を示します。

ムスチスラフ・ウラジミロヴィチ：988年 / 1010年 - 1036年在位
スヴャトスラフ・ヤロスラヴィチ：在位年不明 - 1064年
グレプ・スヴャトスラヴィチ：1064年在位
ロスチスラフ・ウラジミロヴィチ：1064年 - 1065年在位
グレプ・スヴャトスラヴィチ：1068年（再任）在位
ロマン・スヴャトスラヴィチ：1073年 / 1077年 - 1079年在位
ダヴィド・イーゴレヴィチ：1081年 - 1083年在位
ヴォロダリ・ロスチスラヴィチ：1081年 - 1083年在位
オレグ・スヴャトスラヴィチ：1083年 - 1094年在位

これらの公たちは、公国の統治者として、その時代ごとに様々な政策や外交を展開しました。しかし、11世紀末から12世紀初頭にかけて、ポロヴェツ族の勢力が拡大し、ルーシ本土との交通が遮断されたことで、トムタラカニ公国は衰退し、最終的には消滅しました。

トムタラカニ公国の歴史は、その短い期間の中で、東ヨーロッパの歴史における重要な一章を刻みました。公国の存在は、当時の政治・文化・経済の状況を反映しており、その研究は、この地域の歴史を理解する上で不可欠です。

参考文献：

Рыжов К. Все монархи мира. Россия — М.: Вече, 1998.

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