トム・クレヴァリー

トーマス・ウィリアム・クレヴァリー

トーマス・ウィリアム・クレヴァリーは、1989年8月12日にイングランドのハンプシャー州ベイジングストークで生まれた元プロサッカー選手です。現役時代は主にミッドフィールダーとしてプレーし、卓越したテクニックと視野の広さを武器に攻守両面でチームに貢献しました。

選手経歴

クレヴァリーのキャリアは、2004年にブラッドフォード・シティAFCのアカデミーで始まりました。翌2005年には、名門マンチェスター・ユナイテッドFCのアカデミーに移籍し、若手育成の環境で才能を磨きました。

プロ契約後、経験を積むために複数のクラブへ期限付き移籍を経験します。2009-10シーズンにはワトフォードFCへ加入し、チャンピオンシップ（イングランド2部リーグ）で33試合に出場して11ゴールを挙げるなど、攻撃的な能力を開花させました。この活躍が認められ、翌シーズンはプレミアリーグのウィガン・アスレティックFCへレンタル移籍し、最高峰の舞台で経験を積みました。

2011-12シーズンにマンチェスター・ユナイテッドへ復帰すると、トップチームの一員としてプレーする機会を得ました。アレックス・ファーガソン監督のもとで経験を積み、2012-13シーズンにはチームのプレミアリーグ優勝に貢献するなど、主要なタイトル獲得も経験しました。また、FAコミュニティ・シールドも2011年と2013年の2度獲得しています。

2014-15シーズンは、アストン・ヴィラFCへレンタル移籍しました。ここではプレミアリーグで32試合に出場し、リーグ終盤にはマンチェスター・シティ、エヴァートン、ウェストハムといった強豪を相手に3試合連続でゴールを決めるなど、チームの1部リーグ残留に大きく貢献しました。アストン・ヴィラのレンタル契約には買い取りオプションが付帯していましたが、これは行使されませんでした。

マンチェスター・ユナイテッドとの契約が2015年6月に満了を迎えるにあたり、同年6月5日にはエヴァートンFCへ完全移籍することが発表されました。契約満了に伴う移籍であったため、移籍金は発生しないフリートランスファーでの加入となりました。

エヴァートンでプレーした後、2017年1月12日に古巣ワトフォードFCへ買い取りオプション付きのレンタルで復帰しました。シーズン終了後、このオプションが行使され、ワトフォードに完全移籍を果たしました。その後もワトフォードの中心選手として活躍を続けましたが、2023年7月1日に現役を引退することを表明しました。

代表経歴

クレヴァリーはイングランド代表として、U-20、U-21といった世代別代表でプレーしました。A代表には、2011年8月にファビオ・カペッロ監督によってオランダ代表との親善試合に向けたメンバーに初招集されましたが、イギリス国内で発生した暴動の影響により試合が中止となり、デビューは見送られました。

2012年夏には、地元で開催されたロンドンオリンピックに挑むイギリス代表のメンバーに選出され、国際大会の舞台を経験しました。そして、2012年8月15日に行われたイタリア代表との親善試合で、念願のイングランドA代表デビューを果たしました。

指導者経歴

現役引退から間もなく、クレヴァリーは指導者としての道を歩み始めました。2024年3月9日、以前所属していたワトフォードFCの暫定監督として、ヴァレリアン・イスマエル氏の後任を務めることになりました。その手腕が評価され、同年4月24日には正式に監督へ昇格しました。

しかし、監督としてのキャリアは長くは続かず、2025年5月6日にワトフォードFCの監督を解任されることとなりました。

タイトル

レスター・シティFC
フットボールリーグ1：1回 (2008-09)
マンチェスター・ユナイテッドFC
プレミアリーグ：1回 (2012-13)
* FAコミュニティ・シールド：2回 (2011, 2013)

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