トム・ブラウニング

トーマス・レオ・ブラウニング

トーマス・レオ・ブラウニング（1960年4月28日 - 2022年12月19日）は、アメリカ・ワイオミング州キャスパー出身の元プロ野球選手で、主に左投手として知られていました。彼のキャリアは1982年のドラフトでシンシナティ・レッズから指名されたことから始まりました。これが彼の野球人生の幕開けとなります。

現役時代の活躍

ブラウニングは1984年9月9日にメジャーリーグデビューを果たし、初先発を務めました。ルーキーイヤーとなる1985年には38試合に登板して20勝9敗、防御率3.55という素晴らしい成績を収めました。新人王に選ばれるほどの成績だったものの、ビンス・コールマンがノスタルジックな記録を持つため選出されませんでした。同年の9月11日には、ピート・ローズがタイ・カッブの最多安打記録を破った試合に先発投手として出場していました。

1980年代末には絶頂期を迎え、特に1988年の完全試合は彼のキャリアのハイライトと言えるでしょう。この試合ではわずか102球で達成し、72球がストライクという完璧なピッチングを披露しました。1989年にもフィラデルフィア・フィリーズ戦で8回まで完全試合を続けましたが、9回にヒットを許してしまい、MLB史上初の「完全試合2回達成」という偉業達成には至りませんでした。

1990年には15勝を挙げ、チームをリーグ優勝に導きました。また、自身唯一のポストシーズンにも進出し、ワールドシリーズでは勝利投手として記録に名を刻みました。しかし、1991年には怪我に悩まされ、後半戦では苦しい成績に終わりました。

1993年には試合中にスタンドに顔を出し、罰金を科せられるという珍事も含めて、彼のキャリアは様々なエピソードに満ちていました。1994年のシーズンには腕を骨折し、その影響もあり、シーズン終了後にレッズから解雇されました。1995年にはカンザスシティ・ロイヤルズとの契約を結びましたが、2試合で敗れ、現役を引退することになります。

現役引退後のキャリア

現役引退後は、シンシナティ・レッズのマイナーリーグプロジェクトで投手コーチやインストラクターとして再び野球に関与しました。彼の指導のもとで多くの若い選手が育ち、その技術は高く評価されています。2006年にはレッズの殿堂入りを果たし、彼の功績が公式に認められました。

人物と特異な習慣

ブラウニングは個性的な選手でもありました。先発した日から次の先発までの間はひげを剃らず、登板日には特定の赤い下着を身に付けるなど、独自のルーチンを持っていました。

2022年12月19日、ブラウニングはケンタッキー州の自宅で亡くなりました。彼の貴重な野球の経験と記憶は今後も多くのファンに語り継がれることでしょう。彼の野球への情熱と独自のスタイルは、今なお私たちに影響を与えています。

もう一度検索