トモニホールディングス

トモニホールディングス株式会社：地域密着から全国展開へ

概要

トモニホールディングス株式会社は、香川県高松市に本社を置く金融持株会社です。徳島大正銀行と香川銀行を傘下に持ち、2010年の設立以来、積極的な経営統合と事業拡大を続けています。設立の背景には、徳島県と香川県における人口減少による資金需要の減少という課題への対応がありました。この課題克服のため、地域金融機関としての強みを維持しつつ、関西圏への進出という戦略的判断がなされました。


設立と経営統合

2010年4月1日、徳島銀行と香川銀行を傘下に収める形で設立されました。両行はそれまでそれぞれ上場していましたが、トモニホールディングスの設立と同時に上場廃止となり、トモニホールディングスは東証1部に新規上場を果たしました。 設立当初から関西圏への進出を視野に入れていた同社は、2015年に大阪の大正銀行を株式交換方式で買収、完全子会社化しました。これは、大正銀行の親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループの海外事業強化による地銀との関係整理と、トモニホールディングスの関西圏進出という両社の利害が一致した結果でした。


大正銀行との統合と今後の展望

大正銀行の買収は、トモニホールディングスの規模拡大に大きく貢献しました。その後、2018年には傘下の徳島銀行と大正銀行の合併が発表され、2020年1月、両行は合併して徳島大正銀行が発足しました。合併の目的は、コスト削減と、両行の強みである事業性融資や中小企業取引、住宅・不動産分野におけるシナジー効果の最大化です。両行は既に共通のシステムを使用していたため、事務効率化によるコスト削減効果も期待されています。徳島県と大阪府の経済的つながりを活かし、ビジネスマッチングやM&A支援など、顧客への新たな価値提供も目指しています。一方、香川銀行は今回の合併には参加せず、今後の状況を検討していくとのことです。


システム統合

香川銀行と徳島銀行は、経営統合以前から日立製作所が開発した基幹システム「NEXTBASE」を使用していました。2013年には営業店システムも共通化され、システム統合による効率化を進めています。大正銀行も2015年に基幹システムを「NEXTBASE」にリプレースすることで、グループ全体のシステム連携を強化しています。


グループ会社

トモニホールディングスグループには、徳島大正銀行、香川銀行のほか、トモニシステムサービス株式会社、徳銀ビジネスサービス株式会社、香川ビジネスサービス株式会社、トモニリース株式会社、トモニカード株式会社、徳銀キャピタル株式会社、大正信用保証株式会社など、複数のグループ会社が存在します。


社名由来

社名「トモニ」は、「地域とともに、お客さまとともに」という理念を表しています。英語表記の「TOMONY」は「To money holdings」を意味し、堅実な経営姿勢を反映しています。


結論

トモニホールディングスは、地域密着型の金融機関としての強みと、積極的な経営統合による事業拡大を両立させています。人口減少という課題に直面する地方金融機関として、関西圏への進出やシステム統合による効率化、そして顧客への新たな価値提供という戦略は、今後の地方金融機関のあり方において重要な示唆を与えていると言えるでしょう。今後の動向に注目が集まります。

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